健康診断の結果を見て、 「肝機…
公開日:2026年07月22日
更新日:2026年07月22日

目次
健康診断の結果を見て、γ-GTPの欄に「H」や「要注意」と書かれていると、驚かれる方も多いと思います。
「お酒を飲むから仕方がないのでしょうか」
「症状は何もないのに、病院へ行く必要がありますか」
「お酒をほとんど飲まないのに、なぜ高いのでしょうか」
診察室でも、このようなご質問をよくいただきます。
まずお伝えしたいのは、γ-GTPが高いからといって、すぐに重い肝臓病と決まるわけではないということです。
一方で、γ-GTPが高くなる原因はお酒だけではありません。
脂肪肝や薬の影響、胆石などが関係することもあるため、「お酒のせいだろう」と決めつけて長く放置しないことが大切です。

この記事では、γ-GTPの基準値の見方、考えられる原因、今日からできること、病院へ相談した方がよい目安を順番にお話しします。
まず確認したい|γ-GTPはいくつから高い?
γ-GTPは、現在の検査結果では「γ-GT」と表記されることもある、肝臓や胆道に関係する酵素です。
厚生労働省の特定健診では、次の数値が一つの目安とされています。
- 50U/L以下:基準範囲内
- 51U/L以上:生活習慣の見直しや保健指導を検討する範囲
- 101U/L以上:医療機関への相談を検討する範囲
ただし、これはすべての方に当てはまる絶対的な境界ではありません。
基準範囲は、検査機関、測定方法、性別などによって異なります。
まずは、ご自身の健診結果に書かれている基準範囲と判定区分を確認してみてください。
また、γ-GTPが100U/Lを超えたからといって、直ちに重い病気という意味ではありません。
反対に、γ-GTPがそれほど高くなくても、ほかの肝機能検査に異常がみられることがあります。
一つの数値だけで判断せず、ほかの項目や以前からの変化も一緒に見ることが大切です。

「お酒のせい」と決めつけなくて大丈夫です
γ-GTPというと、「お酒を飲む人が高くなる数値」という印象が強いかもしれません。
確かに飲酒は代表的な原因ですが、それだけではありません。原因は複数あるため、順番に確認することが重要です。

日常的にお酒を飲んでいる
アルコールは、肝臓でγ-GTPが作られる働きを強めるため、日常的に飲酒している方では数値が上がりやすくなります。
毎日飲む方だけでなく、週末にまとめて飲む方や、アルコール度数の高い缶チューハイを飲む方も、実際の摂取量が多くなっていることがあります。
同じ量を飲んでも、数値の上がり方には個人差があります。
「周りも同じくらい飲んでいるから大丈夫」とは限りません。
最近、体重やおなか周りが増えた
お酒をあまり飲まない方でγ-GTPが高い場合、脂肪肝が隠れていることがあります。
特に、最近体重が増えた方、運動不足が続いている方、糖尿病や脂質異常症を指摘されている方は、肝臓に脂肪がたまっている可能性があります。
「お酒を飲まないから安心」とは言い切れません。
薬やサプリメントを飲んでいる
処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、健康食品、サプリメントが肝機能の数値に影響することもあります。
ただし、自己判断で薬を中止するのは避けてください。
受診時には、お薬手帳やサプリメントの情報を持参すると役立ちます。
胆石などで胆汁の流れが悪くなっている
胆汁の流れが妨げられると、γ-GTPやALPが高くなることがあります。
腹痛・発熱・黄疸などの症状がある場合は早めの受診が必要です。
ウイルス性肝炎などが隠れている
肝炎ウイルスなどによる炎症でも異常が出ることがあります。
検査歴がない方は、一度確認することが重要です。
医師はγ-GTPだけを見ているわけではありません
健診結果を拝見するとき、私はγ-GTPだけを見て判断することはありません。
γ-GTPは、肝臓や胆道の状態を知らせる「一つのサイン」に過ぎません。
主に見るのは次の項目です。
・AST・ALT:肝細胞のダメージ
・ALP・γ-GTP:胆汁の流れ
・ビリルビン:黄疸
・アルブミン・血小板:肝機能の維持状態
・血糖・中性脂肪:脂肪肝の背景
特にALTは重要です。
γ-GTPの高さと肝臓の傷みは必ずしも一致しません。
今日からできること
すべてを一度に変える必要はありません。小さな改善から始めましょう。

1週間の飲酒量を書き出す
実際に記録すると、想像以上に飲んでいることに気づくことがあります。
飲まない日をつくる
週に数日の休肝日を設けるだけでも効果があります。
ただし、離脱症状がある場合は医療機関へ相談してください。
食事と体重を見直す
急激な減量ではなく、無理なく続けられる改善が大切です。
薬やサプリは自己判断でやめない
必ず医師や薬剤師に相談してください。
病院へ行った方がよいのはどんなとき?
次のような場合は受診を検討してください。
・「要受診」「要精密検査」と書かれてい
・γ-GTPが101U/L以上
・高値が続いている
・他の肝機能も異常
・飲酒が少ないのに高い
・生活習慣病がある
・不安が続く
「受診勧奨」は治療開始ではなく、評価のための受診です。
早めに受診すべき症状
・黄疸
・濃い尿
・白色便
・強い腹痛
・発熱
・強いだるさ
これらがある場合は早めの受診が必要です。

診察では何をするの?
まずは健診結果と生活習慣の確認から始めます。
必要に応じて血液検査や超音波検査を行います。
γ-GTPだけで胃カメラ・大腸カメラが必要になることは通常ありません。
ただし症状があれば検討します。
横濱おなか診療所で大切にしていること
当院では、数値だけでなく患者さんの不安や生活背景を重視しています。
健診結果をそのままお持ちいただければ、一緒に整理します。
まとめ|数値を怖がりすぎず、放置もしない
・原因は飲酒だけではない
・基準値は個人差あり
・他の検査と合わせて判断
・継続する場合は受診
「大丈夫だろう」と放置しないことが重要です。
よくあるご質問
Q1.100を超えたら危険?
必ずしも重症ではありませんが、受診の目安です。
Q2.禁酒でどれくらいで下がる?
数週間〜数か月で改善することがあります。
Q3.飲まないのに高い理由は?
脂肪肝や薬など他の原因が考えられます。
Q4.γ-GTPだけ高い場合は?
繰り返す場合は受診をおすすめします。
Q5.内視鏡は必要?
通常は不要ですが、症状があれば検討します。
健診結果に迷ったらご相談ください
判断に迷う場合は、一人で悩まずご相談ください。
横濱おなか診療所
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