「胃カメラを受けた方がよいとは…
公開日:2026年10月19日
更新日:2026年10月18日

目次
「胃カメラを勧められたけれど、怖くて予約できない」
「以前の検査でオエッとなって、とてもつらかった」
「検査中に息ができなくなったらどうしよう」
胃カメラに不安を感じるのは、決して珍しいことではありません。
現在は、細い内視鏡や鼻からの検査、鎮静剤など、苦痛を軽減するための選択肢があります。
すべての方が楽に受けられるわけではありませんが、何が怖いのかを事前に相談することで、ご自身に合った検査方法を考えることができます。
今回は、胃カメラが怖い方に知っていただきたい工夫と、検査の流れをお伝えします。

1.胃カメラはなぜ怖い?苦しく感じる理由
胃カメラの正式名称は「上部消化管内視鏡検査」です。
口または鼻から細いカメラを入れ、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察します。
胃炎、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、食道がんなどの診断に役立つ検査です。
必要に応じて、小さな組織を採取して詳しく調べることもできます。
一方、胃カメラが怖いと感じる理由は、人によって異なります。
- のどを通るときに吐き気が出そう
- 内視鏡が入ると息ができなくなりそう
- 痛みや圧迫感が心配
- 以前の検査でつらい思いをした
- 鎮静剤を使用することにも不安がある
特に、のどの奥に触れたときに「オエッ」となる反応を、嘔吐反射(おうとはんしゃ)といいます。
これは体を守るための自然な反射です。本人の努力が足りないから起こるものではありません。
また、緊張が強いと、検査中の不快感をより強く感じることがあります。
大切なのは、怖さを我慢することではなく、どのような方法なら負担を減らせるかを考えることです。

2.胃カメラの苦痛を減らす4つの工夫
① 検査前に「何が怖いのか」を伝える
まずおすすめしたいのは、不安を遠慮せずに伝えることです。
以前の胃カメラがつらかった方は、どのような場面が苦しかったのかを教えてください。
例えば、「のどを通るときが苦しかった」「検査中ずっと吐き気が続いた」「鼻から入れたときに痛かった」「鎮静剤を使った後にふらついた」などです。
その経験は、次の検査方法を考えるための大切な情報になります。
うまく説明できなくても構いません。「以前の胃カメラが怖かった」という一言から相談を始めることができます。
② 細い胃カメラや鼻からの検査を選択肢にする
胃カメラには、口から入れる方法と、鼻から入れる方法があります。
鼻から入れる経鼻内視鏡は、舌の奥に触れにくいため、口からの検査と比べて嘔吐反射が起こりにくい場合があります。
一方で、鼻の通り道が狭い方や鼻出血しやすい方では、鼻からの検査が適さないこともあります。
横濱おなか診療所では、直径5.8mmの細い内視鏡を使用し、ご希望や体の状態に合わせて鼻または口からの検査を検討しています。
必ず鼻からの方が楽というわけではありません。
「どちらが自分に向いているか分からない」という方も、診察時に相談してください。
③ 鎮静剤を使うかどうか相談する
「できれば眠っている間に検査を終えたい」という方もいらっしゃいます。
そのような場合、鎮静剤の使用が選択肢になることがあります。
鎮静剤は、不安や緊張を和らげ、ぼんやりした状態で検査を受けやすくする薬です。
人によっては眠ってしまうこともありますが、必ず完全に眠れるわけではなく、全身麻酔とも異なります。
鎮静剤には苦痛を軽減できる利点がある一方で、呼吸が弱くなる、血圧が下がる、検査後に眠気やふらつきが残るといったリスクもあります。
高齢の方や、心臓・肺の病気、睡眠時無呼吸症候群などがある方では、特に慎重な判断が必要です。
また、鎮静剤を使用した日は、自動車・バイク・自転車の運転を控える必要があります。
当院では、基本的には意識のある状態で検査中に所見を説明する方法をとっていますが、鎮静剤を希望される方には、体の状態を確認したうえで使用を検討しています。
鎮静剤を使用した場合、詳しい結果説明を後日に行うこともあります。
「鎮静剤を使わなければ受けられない」「使えば絶対に苦しくない」と決めつけず、一緒に方法を考えましょう。
④ 検査中は肩の力を抜き、ゆっくり呼吸する
検査中は、できるだけ肩や首の力を抜き、落ち着いて呼吸することが大切です。
口や鼻から入れた内視鏡は食道へ進み、通常は呼吸の通り道である気管には入りません。そのため、胃カメラが入っている間も呼吸はできます。
ただし、緊張やのどの刺激によって、息苦しいように感じることがあります。
無理に大きく息を吸おうとせず、スタッフの声かけに合わせてゆっくり呼吸してください。
唾液は無理に飲み込まず、検査時の指示に従いましょう。
苦しさが強い場合には、事前に決めた方法で医師やスタッフへ合図してください。
胃カメラは、患者さんが一人で我慢して受ける検査ではありません。

3.胃カメラはどのような流れで受けるの?
初めての検査では、「当日何をされるのか分からない」ことも不安につながります。
一般的な流れを知っておくことで、心の準備がしやすくなります。
検査前の相談
まず、症状やこれまでの検査経験、持病、飲んでいる薬などを確認します。
特に、血液を固まりにくくする薬、糖尿病の薬、インスリンなどを使用している方は、事前に必ずお知らせください。
薬を自己判断で中止する必要はありません。服用については医師の指示に従ってください。
検査方法や鎮静剤の使用についても、この段階で相談します。
検査前日
胃の中に食べ物が残っていると、十分な観察ができなかったり、検査中に胃の内容物が逆流したりする危険があります。
当院では、原則として前日の夕食を午後9時までに軽く済ませ、その後は食事を控えていただくよう案内しています。
飲水や服薬については、検査時間や体の状態により指示が異なる場合があります。必ず事前の説明を確認してください。
検査当日
検査前には、必要に応じて鼻やのどの麻酔などの前処置を行います。
その後、検査台で横向きになり、口または鼻から内視鏡を挿入します。
観察自体は一般に5〜10分程度で終わることが多いですが、組織採取などを行う場合は長くなることがあります。
準備や検査後の説明、鎮静剤使用後の休憩を含めると、院内で過ごす時間はさらに必要です。
検査後
のどの麻酔を使用した場合は、飲み込みの感覚が戻ったことを確認してから飲食を再開します。
鎮静剤を使用した方は、十分に回復するまで休んでいただきます。
観察結果について説明を受け、必要に応じて薬の治療や追加検査を検討します。
組織を採取した場合、詳しい病理検査の結果は後日になります。
検査後に強い腹痛、吐血、黒い便などが現れた場合は、速やかに検査を受けた医療機関へ連絡し、状態によっては救急受診してください。
4.どのような症状があれば胃カメラを考えるべき?
胃カメラは、すべての胃の不調に必ず必要な検査ではありません。
症状の経過や年齢、過去の病歴、健診結果などを踏まえ、医師が必要性を判断します。
通常の診療で相談したい症状
- 胸やけや胃もたれが繰り返し起こる
- みぞおちの痛みが続く
- 食欲が落ちてきた
- 胃薬を飲んでも症状が改善しない
- 意図しない体重減少がある
- 貧血やピロリ菌感染を指摘された
- 健診のバリウム検査で異常を指摘された
- 食べ物がつかえる、飲み込みにくい
症状が軽く、一時的に改善した場合には、必ずしもすぐに胃カメラが必要とは限りません。
ただし、症状を繰り返す場合や、以前とは様子が違う場合には、消化器内科で相談しましょう。
早急な受診が必要な症状
次のような場合は、通常の検査予約を待たずに、救急医療機関への相談や受診を検討してください。
- 血を吐いた、または大量の吐血がある
- 真っ黒なタール状の便が出て、ふらつきや強い脱力がある
- 突然の激しい腹痛がある
- 意識が遠のく、冷や汗が強い、息苦しい
これらは消化管出血などの重大な病気のサインである可能性があります。
症状が強い場合は119番への連絡も考えてください。
5.横濱おなか診療所では、胃カメラの不安もご相談いただけます
横濱おなか診療所では、胃腸内科・内視鏡検査を中心に、おなかの症状について診療を行っています。
胃カメラの相談では、症状だけでなく、過去の検査経験や不安に感じていることも確認します。
そして、胃カメラが必要かどうかを判断したうえで、鼻から・口からの検査方法や、鎮静剤を使用するかどうかを一緒に考えます。
当院では細い内視鏡を使用しており、朝8時の胃カメラ検査枠も設けています。ただし、実際の検査日時は予約状況や診療上の判断によって異なります。
受診される際には、お薬手帳、過去の胃カメラ結果、健康診断の結果などがあればお持ちください。
また、初診のご相談や胃カメラの検査予約は、まずお電話でご連絡ください。
当院は時間予約制です。事前にお電話いただくことで、来院してから長時間お待ちいただく負担を減らせるよう、受診可能な時間帯をご案内しています。
横濱おなか診療所
電話:045-507-8715

6.よくある質問(Q&A)
Q1.胃カメラ中に息ができなくなることはありませんか?
通常、胃カメラを入れている間も呼吸はできます。
内視鏡は食道に入るため、呼吸の通り道をふさぐものではありません。ただし、緊張や鎮静剤などにより呼吸に影響が出る場合もあるため、安全を確認しながら検査を行います。
Q2.鼻からの胃カメラなら、絶対に苦しくありませんか?
いいえ。鼻からの検査でも不快感や痛みが出ることがあります。
鼻からの検査は嘔吐反射を抑えやすい一方、鼻腔が狭い方には適さない場合があります。ご自身に合った方法を相談することが大切です。
Q3.鎮静剤を使えば完全に眠れますか?
必ずしも完全に眠れるわけではありません。
鎮静剤の効き方には個人差があり、うとうとした状態でも呼びかけに反応することがあります。また、呼吸や血圧への影響にも注意が必要です。
Q4.以前の胃カメラがとてもつらかったのですが、また受けられますか?
以前とは異なる方法を検討できる場合があります。
内視鏡の太さ、口から・鼻からの方法、鎮静剤の使用などを考慮できます。前回の検査で何が苦しかったのか、ぜひお伝えください。
Q5.相談したら、必ず胃カメラを受けなければいけませんか?
いいえ。相談しただけで必ず胃カメラを受けるわけではありません。
症状や診察結果を踏まえて必要性を判断します。検査が必要な場合も、理由を説明し、ご本人の希望を確認したうえで進めます。
7.まとめ|胃カメラへの不安は、検査前に相談してください
胃カメラに怖さを感じるのは、自然なことです。
大切なのは、怖さを我慢することでも、無理に検査を受けることでもありません。
「何が怖いのか」「どのような方法なら受けられそうか」を医師と一緒に考えることが、検査への不安を減らす第一歩になります。
横濱おなか診療所が大切にしているMissionは、「ピンピンコロリを日常生活に。」です。
これは、単に長生きを目指すのではなく、年齢を重ねても自分の足で歩き、おいしく食事を楽しみ、家族や友人と過ごすなど、自分らしく活動できる時間を大切にしたいという想いです。
胃カメラも、そのために必要な病気の早期発見や適切な治療につなげる手段の一つです。
もちろん、すべての方に胃カメラが必要なわけではありません。
だからこそ、検査を受けるかどうかも含めて、一人ひとりの症状や不安に合わせて考えていきたいと思っています。
「胃カメラが怖くて、なかなか一歩を踏み出せない」
そんな方も、まずはお気軽にご相談ください。










