「ピンピンコロリを日常生活に。…
公開日:2026年10月22日
更新日:2026年10月21日

目次
「50歳を過ぎたら、一度は大腸カメラを受けた方がよいのでしょうか?」
「健康診断の便潜血検査で陽性になったけれど、症状がないので様子を見ても大丈夫?」
「大腸カメラは痛そうだし、下剤を飲むのも大変そう……」
大腸カメラを考えるきっかけは、人それぞれです。
まずお伝えしたいのは、大腸カメラが必要かどうかは、年齢だけで決まるものではないということです。
便潜血検査の結果、血便や便通の変化、これまでの病歴、ご家族の病歴などを踏まえて判断します。
この記事では、検査を考える目安から、検査で分かる病気、準備や痛みへの対策まで、分かりやすくご説明します。

大腸カメラとは?どんな病気が分かる検査?
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、肛門から細い内視鏡を入れ、大腸の内側を直接観察する検査です。
便の中に血液が混じっていないかを調べる「便潜血検査」と違い、腸の粘膜の状態を実際に目で確認できることが特徴です。
大腸カメラで分かる主な病気
大腸ポリープ
大腸の粘膜にできる小さな盛り上がりです。
多くは良性ですが、一部には将来がんになる可能性のあるものがあります。
種類や大きさによって、切除を検討します。
大腸がん
大腸の粘膜から発生するがんです。
初期には自覚症状がほとんどないこともあります。
内視鏡で病変を確認し、必要に応じて組織を採取して診断します。
潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
腸の粘膜に炎症が起こる病気です。
長く続く下痢、血便、腹痛などがきっかけで見つかることがあります。
このほか、出血の原因や腸の粘膜の異常を調べることもできます。
ただし、便秘や腹痛の原因がすべて大腸カメラで分かるわけではありません。
症状によっては、血液検査や画像検査などを組み合わせて判断します。

大腸カメラは何歳から必要?
40歳からは大腸がん検診を意識しましょう
日本では、40歳以上の方を対象に、年1回の便潜血検査による大腸がん検診が行われています。
便潜血検査は、便の中に目では分からない血液が混じっていないかを調べる検査です。
国立がん研究センターの「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版」でも、便潜血検査(免疫法)が推奨されています。
一方、大腸カメラは重要な精密検査ですが、症状のないすべての方に、一定の年齢になったら一律に受けるようすすめられているわけではありません。
50歳を過ぎて、一度も大腸カメラを受けたことがない場合は?
大腸がんは年齢とともに発症する人が増えます。
50歳を過ぎて一度も大腸カメラを受けたことがない方は、これまでの検診結果やご家族の病歴なども含めて、検査の必要性を相談してみるのもよいでしょう。
例えば、ご家族に大腸がんになった方がいる場合や、以前に大腸ポリープを指摘されたことがある場合には、一般的な検診とは別に内視鏡検査を検討することがあります。
大切なのは「50歳になったから必ず検査」ではなく、一人ひとりの状況に合わせて必要性を判断することです。
こんなときは大腸カメラを検討します
1.便潜血検査で陽性になった
健康診断や大腸がん検診で便潜血陽性と判定された場合は、症状がなくても精密検査を受けることが大切です。
「去年は陰性だったから大丈夫」
「2回のうち1回だけ陽性だった」
「もう一度検便をして陰性ならよいのでは?」
このように考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、大腸の病変からは毎日出血するとは限りません。
1回でも陽性になった場合は、再度の便潜血検査ではなく、原則として大腸カメラなどによる精密検査が必要です。
2.血便が出た
便に赤い血が混じる場合、痔が原因のこともあります。
ただし、血便の原因は痔だけではありません。大腸ポリープ、大腸がん、腸の炎症などが隠れていることもあります。
特に、出血を繰り返す場合や、便通の変化を伴う場合には、一度医師に相談することをおすすめします。
3.便秘や下痢など、便通の変化が続いている
以前は毎日便が出ていたのに、最近急に便秘がちになった。
下痢が長く続いている。
便秘と下痢を繰り返すようになった。
このような変化は、食事やストレス、薬などが原因のこともありますが、腸の病気が関係している場合もあります。
特に、血便、体重減少、貧血などを伴う場合は、早めに相談しましょう。
4.大腸ポリープや大腸がんの既往・家族歴がある
以前に大腸ポリープを切除した方は、ポリープの種類や数、大きさなどに応じて、その後の検査間隔を決めます。
また、近いご家族に大腸がんを経験された方がいる場合も、発症年齢や人数などを確認したうえで、検査を考えることがあります。

どんな症状があったら受診すべき?
大腸カメラが必要かどうかを考える前に、症状の緊急性を判断することも大切です。
通常の診療で相談したい場合
- 便潜血検査で陽性と判定された
- 血便があった
- 便秘や下痢など、以前と違う便通の状態が続いている
- 原因の分からない腹痛が続いている
- 貧血や意図しない体重減少を指摘された
早急な診察・救急対応が必要な場合
- 突然、非常に強い腹痛が起こった
- 大量の血便が出た、出血が止まらない
- 出血とともに、冷や汗、強いふらつき、失神などがある
- 強い腹痛に加えて、繰り返し吐いたり、お腹が著しく張ったりしている
このような症状がある場合は、通常の大腸カメラの予約を待たず、救急医療機関への受診を優先してください。
大腸カメラは痛い?苦痛を減らす方法はある?
大腸カメラをためらう理由として、「痛みが心配」という方は少なくありません。
大腸はお腹の中で曲がりくねっているため、内視鏡を進める際に腸が引っ張られたり、腸を広げるガスによってお腹が張ったりすることがあります。
痛みや不快感の程度には個人差があり、以前の手術歴や腸の形などによっても異なります。
炭酸ガスを使ってお腹の張りを軽減
横濱おなか診療所では、検査中に腸を広げるためのガスとして、吸収されやすい炭酸ガスを使用しています。
炭酸ガスは通常の空気よりも腸管から吸収されやすく、検査後のお腹の張りを軽減することが期待できます。
鎮静剤を使用する方法もあります
鎮静剤は、眠気やリラックスした状態をもたらし、検査中の不安や苦痛を軽くするために使用する薬です。
鎮静剤を使うと、うとうとしている間に検査を受けられることがあります。
ただし、必ず眠るわけではなく、痛みや不快感が完全になくなることを保証するものでもありません。また、一般的な内視鏡の鎮静は全身麻酔とは異なります。
鎮静剤には、呼吸や血圧への影響、検査後の眠気やふらつきなどの注意点もあります。
当院では、基本的には眠らずに検査中の所見を説明しながら進める方法を案内していますが、ご希望に応じて鎮静剤を使用する選択肢もあります。
以前の検査がつらかった方や、強い不安がある方は、事前にご相談ください。
内視鏡って苦しいですか?検査室でよく聞かれる質問に、看護師がお答えします

大腸カメラの前日から当日までの流れ
大腸カメラでは、腸の内側をしっかり観察するために、便をきれいに取り除く準備が必要です。
この準備を「前処置」といいます。
STEP 1.事前の診察・検査の相談
現在の症状や便潜血検査の結果、これまでの病気、服用している薬などを確認します。
大腸カメラが必要と判断された場合は、検査前の食事や下剤の飲み方、当日の流れについて説明を受けます。
特に、血液を固まりにくくする薬、糖尿病の薬などを使用している方は、必ずお伝えください。
薬を自己判断で中止したり、量を変更したりしないでください。
STEP 2.検査前日の準備
腸に便が残りにくい食事を取るなど、検査前の食事調整を行います。
必要に応じて検査食や下剤を使用する場合もあります。
食事の内容や時間は、医療機関から説明された方法に従ってください。
STEP 3.検査当日の下剤
多くの場合、腸管洗浄剤という下剤を服用して、腸の中をきれいにします。
服用を始めると徐々に便が出るようになり、最終的には透明に近い水様便になることを目指します。
服用する量や時間は薬の種類や患者さんの状態によって異なります。
下剤が苦手な方、以前に吐き気が出た方、便秘が強い方は、事前にお伝えください。
STEP 4.内視鏡検査
検査では肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜を観察します。
必要に応じて組織の一部を採取したり、切除可能なポリープを取り除いたりすることがあります。
ただし、ポリープの大きさ、形、場所、服用中の薬などによって、その場で切除できないこともあります。
STEP 5.検査後の休憩と結果説明
検査終了後は、体調を確認します。
鎮静剤を使用した場合は、眠気やふらつきが残ることがあるため、十分に休んでから帰宅します。
鎮静剤を使用した当日は、車・バイク・自転車などの運転はできません。
検査で分かったことを説明し、組織検査を行った場合は、後日その結果を確認します。
ポリープを切除した場合には、食事、飲酒、運動などについて個別の注意事項があります。
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大腸カメラには危険性や限界もあります
大腸カメラは多くの方に行われている検査ですが、医療行為である以上、リスクがまったくないわけではありません。
主な偶発症には、出血や、腸の壁に穴が開く穿孔(せんこう)などがあります。ポリープ切除などの処置を行った場合には、出血の可能性が高くなることがあります。
また、鎮静剤によって呼吸が弱くなったり、血圧が下がったりする場合もあります。
高齢の方、心臓や肺に病気がある方などは、検査による利益と負担を慎重に考えることが大切です。
さらに、検査前の腸の洗浄が不十分だった場合や、病変の位置・形によっては、異常が見つかりにくいこともあります。
検査を受ければすべての病気が必ず見つかる、というわけではありません。
よくあるご質問
Q1.便潜血が陰性でも大腸カメラは必要ですか?
陰性という結果だけで、大腸の病気を完全に否定することはできません。
血便、便通の変化、貧血などの症状がある場合や、家族歴などのリスクがある場合には、陰性でも詳しい検査を考えることがあります。
一方、症状や特別なリスクがない方では、定期的な便潜血検査が基本となります。
Q2.大腸カメラは毎年受けた方がよいですか?
すべての方が毎年大腸カメラを受ける必要はありません。
検査で異常がなかった場合と、ポリープを切除した場合とでは、次回の検査時期が異なります。
以前の検査結果や病歴によっても変わるため、医師と相談して決めます。
Q3.下剤を全部飲めるか心配です。
下剤に不安がある場合は、検査前に相談できます。
以前に吐き気が強かった方や、便秘がひどい方、たくさんの水分を飲むことが難しい方は、事前に伝えておくとよいでしょう。
自己判断で下剤を減らしたり、途中で中止したりせず、指示された方法で準備することが大切です。
Q4.検査中にポリープが見つかったら、その場で取れますか?
小さなポリープなどは、その場で切除できる場合があります。
ただし、すべてのポリープを切除できるわけではありません。
大きさや形、出血の危険性などによっては、専門的な治療ができる医療機関での処置をご案内する場合もあります。
Q5.高齢でも大腸カメラは受けられますか?
年齢だけで一律に決めるものではありません。
普段の活動状況、持病、服用薬、検査で分かることが今後の治療にどのように役立つかなどを考えて判断します。
無理に検査を受けるのではなく、ご本人の希望も大切にしながら相談することが重要です。
横濱おなか診療所で大腸カメラの相談をご希望の方へ
「大腸カメラが必要かどうか、まず相談したい」
「以前の検査がつらく、もう一度受けるのが不安」
「便潜血が陽性だったので、精密検査を受けたい」
このような場合は、横濱おなか診療所へご相談ください。
当院では、便通の変化や出血の有無、健康診断の結果、過去の内視鏡検査歴、服用している薬などを確認し、検査の必要性を判断します。
当院では、検査時の負担を軽くするため、炭酸ガスの使用や、下剤の準備時間を考慮した昼近くからの検査枠を設けています。鎮静剤についても、ご希望や体調に応じて相談できます。
診察の際は、健康診断の結果、以前の内視鏡検査の記録、お薬手帳などがあると役立ちます。
検査を受けるかどうか迷っている段階でも構いません。まずは、今のお体の状態から、どのような確認が必要かを一緒に考えていきましょう。
横濱おなか診療所(横浜市緑区・中山駅近く)
初診の方は、お電話で診察予約をお願いいたします。
電話:045-507-8715
詳しくは公式サイトの「ご予約」「苦痛の少ない内視鏡検査」をご確認ください。
まとめ|大腸カメラは「必要なときに、適切に受ける」ことが大切です
大腸がんは、初期には症状が目立たないこともある病気です。
そのため、40歳以上の方は定期的な大腸がん検診を意識し、便潜血陽性や気になる症状がある場合には、適切な精密検査につなげることが大切です。
一方で、大腸カメラは年齢だけで全員に必要となる検査ではありません。
当院のMissionである「ピンピンコロリを日常生活に。」には、年齢を重ねても、自分らしく元気に暮らせる時間を支えたいという思いがあります。
大腸の健康を考えることも、その一つです。
不安だから検査を避けるのでも、心配だから何度も検査を受けるのでもなく、ご自身に必要な検査を、納得して選んでいただくことを大切にしたいと考えています。










