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お腹の張り・ガスが多い原因|腸内環境と食生活の見直し

公開日:2026年05月31日
更新日:2026年05月27日

「お腹が張って苦しい」
「ガスが多く、人前で気になってしまう」
「便秘や下痢をくり返し、お腹がすっきりしない」

このようなお悩みは、診療所のある横浜市緑区・中山駅周辺にお住まいの方からも、日常診療でよくご相談いただく症状のひとつです。

お腹の張りやガスは、食べすぎ、早食い、便秘、ストレスなど、身近な原因で起こることがあります。
一方で、過敏性腸症候群、腸内環境の乱れ、大腸の病気、炎症性腸疾患などが関係している場合もあります。

今回は、横濱おなか診療所の院長として、「お腹の張り」「ガスが多い」という症状について、腸内環境・食生活・FODMAPの考え方を含めて、できるだけわかりやすくお話しします。

お腹の張り・ガスはなぜ起こるのでしょうか

お腹の中のガスは、主に2つの原因で増えます。

1つは、食事や会話の際に無意識に飲み込んでいる空気です。
早食い、よく噛まずに飲み込む習慣、炭酸飲料、ガム、ストローの使用、緊張時の唾液の飲み込みなどで、胃腸に空気が入りやすくなります。

もう1つは、腸内細菌が食べ物を分解する過程で生じるガスです。
腸内細菌による発酵は自然な働きですが、便秘で便が長く腸内にとどまったり、発酵しやすい食品を多く摂ったりすると、ガスが増えやすくなります。

通常、ガスはげっぷやおならとして排出されたり、一部は腸から吸収されたりします。
しかし、ガスが作られる量と排出される量のバランスが崩れると、お腹の張り、腹鳴、膨満感、腹痛、食欲低下などにつながります。

食生活でガスが増えやすくなることがあります

お腹の張りがある方の食生活を伺うと、次のような傾向が見られることがあります。

忙しくて早食いになっている。
パンや麺類が多く、野菜やたんぱく質が少ない。
甘い飲み物や間食が多い。
豆類、芋類、乳製品、玉ねぎ、小麦製品などを食べると張りやすい。
炭酸飲料やアルコールをよく飲む。
便秘対策として食物繊維を急に増やしたら、かえって張るようになった。

食物繊維は便通改善に大切ですが、急に増やしすぎると腸内で発酵が進み、ガスが増えることがあります。
便秘対策として野菜、海藻、きのこ、豆類を増やした結果、お腹の張りが強くなる方もいます。

また、乳糖不耐症の方では、牛乳や乳製品でお腹がゴロゴロしたり、下痢やガスが増えたりすることがあります。

大切なのは、「体によい食品を一律に増やす」ことではなく、「自分のお腹に合う食べ方を見つける」ことです。

FODMAPとは?お腹の張りと関係する糖質の考え方

近年、お腹の張りやガス、下痢、便秘をくり返す方で注目されている考え方に、FODMAP(フォドマップ)があります。

FODMAPとは、発酵しやすく、小腸で吸収されにくい一部の糖質の総称です。
これらの糖質は、大腸に届いたあと腸内細菌によって発酵され、ガスを発生しやすい特徴があります。
また、腸の中に水分を引き込みやすいため、下痢や腹痛、腹部膨満感につながることもあります。

FODMAPを多く含む食品としては、たとえば次のようなものがあります。

小麦を多く使ったパン、パスタ、うどん。
玉ねぎ、にんにく、豆類、きのこ類。
牛乳、ヨーグルトなど一部の乳製品。
りんご、梨、桃、すいかなど一部の果物。
はちみつ、果糖ぶどう糖液糖、一部の人工甘味料。

一方で、比較的FODMAPが少ない食品としては、米、じゃがいも、卵、肉、魚、にんじん、トマト、きゅうり、なす、バナナ、みかん、キウイなどが挙げられます。

ただし、ここで注意していただきたいのは、高FODMAP食品が「悪い食品」という意味ではないということです。

玉ねぎ、豆類、きのこ、果物、乳製品などは、栄養面では大切な食品でもあります。
問題は、腸が敏感な方や過敏性腸症候群の方で、これらの食品が症状の引き金になっている場合がある、という点です。

低FODMAP食は「一生続ける制限食」ではありません

低FODMAP食というと、「食べてはいけないものが多い食事療法」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし本来、低FODMAP食は、一生すべてを制限するための食事法ではありません。
目的は、症状を悪化させやすい食品を一時的に整理し、最終的に「自分に合う食べ方」を見つけることです。

一般的には、次のような段階で考えます。

まず、症状が強い時期に高FODMAP食品を一時的に控えます。
次に、症状が落ち着いたら、食品を少しずつ戻していきます。
最後に、自分が食べても問題ない食品、量を控えた方がよい食品を整理します。

自己判断で長期間、厳格な食事制限を続けることはおすすめしません。
栄養バランスが偏ったり、食事そのものがストレスになったりすることがあるからです。

当院でも、お腹の張りやガスが強い方には、必要に応じて食事内容を一緒に確認しながら、「まず何を見直すとよさそうか」を現実的に考えていきます。

腸内環境の乱れとお腹の張り

腸内環境という言葉を耳にする機会が増えました。
腸内には多くの細菌が存在し、食べ物の消化・吸収、便通、免疫などに関わっています。

腸内環境が乱れる要因としては、偏った食事、睡眠不足、ストレス、運動不足、抗生物質の使用、過度な飲酒などが挙げられます。腸内細菌のバランスが乱れると、ガスが発生しやすくなったり、便秘や下痢をくり返したりすることがあります。

ただし、「腸内環境を整えればすべて解決する」と単純に考えすぎないことも大切です。

お腹の張りの背景には、腸の動き、食生活、便通、ストレス、自律神経、ホルモン、薬の影響、加齢による筋力低下など、複数の要素が重なっていることがあります。

診療では、症状だけでなく、便の回数、便の形、食事内容、生活リズム、服薬状況、体重変化などを確認しながら、原因を一緒に整理していきます。

便秘とガスの関係

お腹の張りで特に多い原因のひとつが便秘です。

便が腸の中に長くとどまると、腸内細菌による発酵が進み、ガスが増えやすくなります。
また、便が詰まっているとガスの通り道も狭くなり、排出しにくくなります。

その結果、「お腹がパンパンに張る」「下腹部が苦しい」「おならが出そうで出ない」といった症状が出ることがあります。

便秘というと「何日も便が出ない状態」と考えがちですが、毎日排便があっても、残便感が強い、便が硬い、強くいきまないと出ない、すっきりしない場合は、便秘として治療を考えることがあります。

市販薬で一時的に対応するだけでなく、便秘のタイプを確認し、自分に合った整え方を考えることが大切です。

過敏性腸症候群とガス・腹部膨満感

検査で大きな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛、便秘、下痢、ガス、腹部膨満感が続く場合、過敏性腸症候群、いわゆるIBSが関係していることがあります。

IBSでは、腸そのものに潰瘍や腫瘍があるわけではなくても、腸が刺激に敏感になったり、腸の動きが不安定になったりします。緊張する場面、外出前、電車の中、会議や授業の前などに症状が強くなる方もいます。

このような方では、FODMAPを多く含む食品が症状を悪化させていることがあります。
特に、食後にお腹が張る、ガスが増える、下痢と便秘をくり返す、外食後に調子が崩れやすい方では、食事と症状の関係を見直すことが役立つ場合があります。

ただし、「ストレスのせいですね」と一言で片づけてしまうのは適切ではありません。
ストレスだけでなく、腸内環境、食事、睡眠、自律神経、過去の感染性腸炎、便通異常などが関係します。

症状を否定せず、生活への影響を確認しながら治療を考えることが大切です。

受診を考えた方がよいサイン

お腹の張りやガスは、生活習慣の見直しで改善することもあります。
しかし、次のような症状がある場合は、早めに消化器内科へご相談ください。

急にお腹の張りが強くなった。
腹痛が強い、または痛みが続く。
吐き気や嘔吐を伴う。
便に血が混じる、黒い便が出る。
下痢や便秘が長く続いている。
体重が減ってきた。
発熱がある。
貧血を指摘された。
夜間に症状で目が覚める。
大腸がん検診で便潜血陽性を指摘された。

このような症状がある場合は、食事療法を試す前に、病気が隠れていないかを確認することが大切です。

大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患、腸閉塞、感染性腸炎、肝胆膵疾患などを確認する必要がある場合もあります。

横浜・中山駅周辺で、腹痛、下痢、便秘、お腹の張りが続く方は、我慢しすぎずご相談いただければと思います。

診察ではどのようなことを確認するのか

当院では、お腹の張りやガスのご相談では、まず問診を大切にしています。

いつから症状があるのか。
食後に強いのか、空腹時にもあるのか。
便秘型か、下痢型か、便秘と下痢をくり返すのか。
血便や体重減少がないか。
どの食品で悪化しやすいか。
仕事や睡眠、ストレスとの関係があるか。
これまでに胃カメラ・大腸カメラを受けたことがあるか。

必要に応じて、血液検査、便検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラなどを検討します。

内視鏡検査はすべての方に必要なわけではありませんが、年齢、症状の経過、便潜血、血便、体重減少、家族歴などを踏まえて判断します。

横濱おなか診療所では、横浜市緑区・中山駅近くで、消化器内科、肛門外科、内科、外科の診療を行っています。
胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査についても、できるだけ不安や負担を少なく受けていただけるよう配慮しています。

食生活の見直しで意識したいこと

お腹の張りが気になる方に、まず意識していただきたいのは、よく噛んで、ゆっくり食べることです。
早食いは空気を飲み込みやすく、胃腸にも負担がかかります。

次に、便通を整えることです。
水分、適度な食物繊維、発酵食品、たんぱく質、適度な脂質、運動、睡眠を見直します。

ただし、食物繊維や発酵食品を急に増やすと、かえってガスが増える方もいます。
少しずつ試し、自分の体に合う量を探すことが大切です。

症状が強い時期には、炭酸飲料、アルコール、脂っこい食事、甘味料を多く含む食品、玉ねぎ、にんにく、豆類、小麦製品、乳製品などを一時的に控えると楽になる方もいます。

全部を制限するのではなく、「自分の症状が出やすい食品や食べ方を知る」ことが現実的です。

食事記録を数日から1〜2週間ほどつけてみると、「朝の牛乳で張りやすい」「外食でにんにくや玉ねぎが多いと悪化する」「便秘が続いたあとに張りが強くなる」など、症状のパターンが見えてくることがあります。

当院で大切にしていること

お腹の張りやガスは、命に関わる病気ではないことも多い一方で、日常生活の質を大きく下げる症状です。人に相談しにくく、長く我慢している方も多いと感じます。

私は診療の中で、「恥ずかしい症状だから」と遠慮される必要はないと考えています。

便通、おなら、お腹の音、肛門の違和感などは、消化器内科・肛門外科では日常的に扱う大切な症状です。

必要な検査を行い、重大な病気が隠れていないかを確認したうえで、食生活、便通、薬、生活リズムを一緒に整えていくことが大切です。

横浜市緑区・中山駅周辺で、お腹の張り、ガス、便秘、下痢、腹痛が続いている方は、横濱おなか診療所へご相談ください。症状を一緒に整理しながら、必要に応じて内視鏡検査や生活習慣の見直しまで、無理のない形で考えていきます。

まとめ

お腹の張りやガスが多い原因には、早食い、空気の飲み込み、便秘、腸内環境の乱れ、食生活、ストレス、過敏性腸症候群など、さまざまな要素が関係します。

特に、食後にお腹が張る、ガスが増える、下痢と便秘をくり返す方では、FODMAPを多く含む食品が症状に関係している場合があります。

ただし、低FODMAP食は「一生続ける制限食」ではなく、自分のお腹に合う食品や量を見つけるための考え方です。
自己判断で極端な制限を続けるのではなく、症状の経過や必要な検査を踏まえながら、無理のない形で進めることが大切です。

腹痛、血便、体重減少、発熱、便通異常の持続、便潜血陽性などがある場合は、自己判断せず、消化器内科での相談をおすすめします。


Q&A:お腹の張り・ガス・FODMAPについてよくある質問

Q1. お腹の張りだけでも受診してよいですか?

はい、受診していただいて大丈夫です。お腹の張りは、便秘や食生活が原因のこともありますが、便通異常や大腸の病気が関係することもあります。症状が続く場合や生活に支障がある場合は、ご相談ください。

Q2. FODMAPとは何ですか?

FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい一部の糖質の総称です。腸が敏感な方では、ガス、腹部膨満感、腹痛、下痢などの原因になることがあります。

Q3. 高FODMAP食品は食べない方がよいですか?

必ずしもそうではありません。高FODMAP食品の中にも、栄養面で大切な食品はたくさんあります。大切なのは、自分の症状に関係しやすい食品を見つけることです。すべてを長期間避ける必要はありません。

Q4. ヨーグルトや発酵食品を増やせば改善しますか?

合う方もいますが、すべての方に合うわけではありません。ヨーグルトや発酵食品でかえって張りが強くなる方もいます。少量から試し、症状との関係を確認しましょう。

Q5. 大腸カメラは必要ですか?

すべての方に必要ではありません。ただし、血便、便潜血陽性、体重減少、貧血、便通異常の持続、強い腹痛、年齢や家族歴などによっては、大腸カメラを検討した方がよい場合があります。

Q6. 何科に相談すればよいですか?

お腹の張り、ガス、便秘、下痢、腹痛が続く場合は、消化器内科が相談先になります。肛門の違和感、出血、痔の症状を伴う場合は、肛門外科でも対応します。

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