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肥満治療を始める前に知っておきたいこと|内科で行う体重管理

公開日:2026年05月04日
更新日:2026年05月04日

横浜市緑区・中山駅近くの横濱おなか診療所では、内科・消化器内科の視点から体重管理や肥満治療のご相談を行っています。
肥満症の考え方、生活習慣の見直し、薬物療法を始める前に知っておきたい注意点について、院長がやさしく解説します。


はじめに|「体重を落とすこと」だけが肥満治療ではありません

「最近、体重が増えてきた」
「健康診断で血糖値やコレステロールを指摘された」
「膝や腰への負担が気になる」
「何度もダイエットをしているけれど、なかなか続かない」

外来では、このような体重に関するご相談をいただくことがあります。

肥満治療というと、どうしても「何kgやせるか」「短期間でどれだけ体重を落とせるか」という話に目が向きがちです。
しかし、内科で行う体重管理の本来の目的は、見た目を変えることだけではありません。

糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、膝や腰への負担など、将来の病気のリスクを少しでも減らし、今後の健康を守ることが大切です。

横濱おなか診療所では、消化器内科・内科・肛門外科の診療を行う中で、生活習慣病やおなかの不調と関連する体重管理についてもご相談をお受けしています。
この記事では、「肥満治療を始める前に知っておきたいこと」を、内科医の立場からわかりやすくお伝えします。


肥満とは?まずはBMIを確認しましょう

肥満の判定には、一般的にBMIという指標が用いられます。
BMIは「体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m」で計算される体格指数です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、BMIは肥満や低体重の判定に用いられる指標として紹介されています。
日本肥満学会の基準では、BMI25以上が「肥満」と定義されています。

たとえば、身長160cm、体重65kgの方では、

65 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 約25.4

となり、BMI上は肥満に該当します。

ただし、BMIだけで健康状態のすべてがわかるわけではありません。
同じBMIでも、筋肉量が多い方と、内臓脂肪が多い方では、体への影響が異なります。
特に注意が必要なのは、内臓脂肪が多いタイプの肥満です。
内臓脂肪型肥満では、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病につながりやすいことが知られています。

つまり、肥満治療を考えるときには、単に体重だけを見るのではなく、腹囲、血圧、血糖、脂質、肝機能、体組成などを総合的に確認することが大切です。


「肥満」と「肥満症」は少し違います

ここで大切なのが、「肥満」と「肥満症」は同じではないという点です。

肥満は、BMI25以上など体格上の状態を指します。
一方で、肥満症は、肥満に加えて、減量によって改善が期待できる健康障害がある場合や、内臓脂肪の蓄積により将来的な健康障害が予想される場合に診断される病気です。

肥満症の診断に関係する健康障害としては、耐糖能障害・2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、肥満関連腎臓病などが挙げられています。

つまり、「少し体重が多いからすぐに薬を使う」というものではありません。

本当に治療が必要な状態なのか、どの程度の減量を目標にするのか、生活習慣の改善でどこまで対応できるのか、薬物療法を検討すべきかを、医学的に整理していくことが重要です。


肥満治療を始める前に確認したいこと

肥満治療を始める前には、まず現在の体の状態を確認することが大切です。

体重だけを見て治療を始めてしまうと、体に合わない方法を選んでしまったり、必要な病気の発見が遅れたりすることがあります。
特に、急に体重が増えた方、強い疲労感がある方、むくみがある方、月経異常がある方、薬の変更後に体重が増えた方などでは、生活習慣だけでなく、内分泌疾患や薬剤の影響なども考える必要があります。

当院で体重管理を考える際には、必要に応じて血液検査、肝機能、腎機能、血糖、HbA1c、脂質、尿酸、腹部超音波検査、体組成測定などを組み合わせて確認します。

特に消化器内科の視点では、脂肪肝の評価は重要です。
体重増加や内臓脂肪の蓄積は、肝機能異常や脂肪肝と関係することがあります。
健康診断でAST、ALT、γ-GTPなどを指摘された方は、単なる「肝機能異常」として放置せず、体重や生活習慣との関係を見直すことが大切です。


体重管理の基本は、生活習慣の見直しです

肥満治療というと、薬や注射に注目が集まりやすいですが、基本となるのは食事・運動・睡眠・行動の見直しです。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、適切な体重コントロールは「自分にとって本当に必要かどうか判断すること」から始めること、また食事記録をつけることで課題や改善点を可視化できることが紹介されています。
さらに、高血糖、脂質異常、血圧高値の改善や重症化予防には減量や肥満の是正が推奨され、3〜4%の緩やかな減量でも検査値の改善が期待されるとされています。

私は、体重管理では「完璧を目指しすぎないこと」も大切だと考えています。

たとえば、いきなり厳しい糖質制限や極端なカロリー制限を行うと、短期間で体重が落ちることはあります。
しかし、その生活を長く続けられなければ、リバウンドしやすくなります。
また、必要な栄養まで不足すると、筋肉量の低下、疲労感、便秘、肌荒れ、気分の落ち込みなどにつながることもあります。

大切なのは、「続けられる小さな改善」を積み重ねることです。

たとえば、

  • 夜遅い食事を少し早める
  • 間食の回数を見直す
  • 甘い飲み物を水やお茶に変える
  • アルコール量を減らす
  • 主食の量を少し調整する
  • たんぱく質や野菜を意識して増やす
  • 毎日でなくても歩く時間をつくる

このような小さな工夫でも、継続できれば体は少しずつ変わっていきます。


内科で行う体重管理のメリット

内科で体重管理を行うメリットは、体重だけでなく、血圧、血糖、脂質、肝機能、腎機能などを一緒に確認できることです。

体重が増えている背景には、食事量や運動不足だけでなく、ストレス、睡眠不足、便秘、飲酒、加齢による筋肉量の低下、薬の影響など、さまざまな要因があります。

また、肥満は消化器症状とも関係することがあります。
たとえば、脂肪肝、逆流性食道炎、便秘、胆石症などは、体重や食生活の影響を受けることがあります。
横濱おなか診療所は、消化器内科・肛門外科・内視鏡検査を行うクリニックとして、胃腸の症状や便通の状態も含めて体全体を見ながら相談できる点を大切にしています。

「体重を落としたい」というご相談の背景に、実は便秘や腹部膨満感、脂肪肝、逆流症状、睡眠の問題が隠れていることもあります。
体重管理をきっかけに、体全体の状態を見直すことはとても意味があります。


薬物療法を考える前に知っておきたいこと

近年、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬など、体重減少に関係する薬剤への関心が高まっています。
インターネット上でも「医療ダイエット」「GLP-1ダイエット」といった言葉を見かけることが増えました。

一方で、薬を使った肥満治療には、効果だけでなく注意点もあります。

厚生労働省は、GLP-1受容体作動薬などについて、2型糖尿病以外の目的で適応外使用された場合の安全性・有効性は確認されていないこと、また低血糖症状、急性膵炎、悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛などの副作用が起こり得ることを注意喚起しています。

横濱おなか診療所の肥満治療ページでもご案内しているように、当院で行うマンジャロ®を用いた肥満治療は保険診療外、つまり自由診療となります。
自由診療で発生した有害事象は、国の医薬品副作用被害救済制度や保険診療の補償対象外となる場合があります。
そのため、当院では事前のリスク説明、定期検査の推奨、副作用の早期発見と対応を大切にしています。

薬物療法は、うまく使えば体重管理の助けになることがあります。
しかし、「薬を使えば生活習慣を変えなくてよい」というものではありません。
薬を中止した後に食欲や生活習慣が元に戻れば、体重が再び増えてしまうこともあります。

だからこそ、薬を使う場合でも、食事、運動、睡眠、行動の改善を同時に進めることが重要です。


肥満治療は「短期集中」より「続けられる設計」が大切です

体重管理で大切なのは、急激に体重を落とすことではなく、健康を損なわずに続けられる方法を見つけることです。

特に40代以降では、筋肉量が落ちやすくなり、若い頃と同じ方法では体重が落ちにくくなることがあります。
無理な食事制限をすると、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまい、かえって基礎代謝が下がり、リバウンドしやすい体になることがあります。

また、50代、60代以降では、単に体重を減らすだけでなく、筋肉量や体力を維持することも大切です。
健康寿命を考えるうえでは、「軽くなること」だけでなく、「動ける体を保つこと」が重要になります。

そのため当院では、体重だけに一喜一憂するのではなく、体組成、血液検査、生活習慣、食事内容、運動習慣などを確認しながら、無理のない体重管理を一緒に考えていきます。


受診を考えた方がよい目安

次のような方は、一度内科で相談してみることをおすすめします。

  • BMIが25以上で、体重増加が気になっている
  • 健康診断で血糖値、HbA1c、脂質、血圧、尿酸、肝機能を指摘された
  • 脂肪肝と言われたことがある
  • 腹囲が増えてきた
  • いびきや日中の眠気があり、睡眠時無呼吸が心配
  • 膝や腰への負担が増えてきた
  • 自己流のダイエットでリバウンドを繰り返している
  • 薬を使った肥満治療に興味はあるが、安全面も含めて相談したい

もちろん、すべての方に薬物療法が必要なわけではありません。
まずは現在の体の状態を確認し、生活習慣の改善で対応できる部分、検査が必要な部分、治療を検討する部分を整理することが大切です。


横濱おなか診療所で大切にしていること

横濱おなか診療所では、横浜市緑区・中山駅近くの地域のクリニックとして、消化器内科、肛門外科、内科、内視鏡検査を中心に診療を行っています。

肥満治療についても、単に体重を落とすことだけを目的にするのではなく、生活習慣病の予防、脂肪肝の改善、将来の健康リスクの軽減、健康寿命の延伸という視点を大切にしています。

また、薬物療法を行う場合には、メリットだけでなく、デメリットや副作用、自由診療としての注意点についても丁寧に説明し、ご納得いただいたうえで進めることを重視しています。

体重の悩みは、とても個人的で相談しづらいものです。
ですが、体重管理は「意志が弱い」「努力が足りない」という単純な話ではありません。
食欲、代謝、睡眠、ストレス、加齢、ホルモン、生活環境など、多くの要素が関係しています。

だからこそ、責めるのではなく、今の生活の中で何ができるかを一緒に考えることが大切だと考えています。


まとめ|肥満治療は、未来の健康を守るための体重管理です

肥満治療を始める前に大切なのは、「なぜ体重を減らす必要があるのか」を確認することです。

見た目の変化だけを目的にするのではなく、血糖、血圧、脂質、肝機能、睡眠、運動機能などを含めて、将来の健康を守るために体重管理を考えることが重要です。

BMI25以上は肥満の目安になりますが、治療が必要かどうかは、健康障害の有無や内臓脂肪の状態によって異なります。
薬物療法は有用な選択肢になることがありますが、副作用や自由診療としての注意点もあるため、医師と相談しながら慎重に進める必要があります。

横浜・中山駅周辺で、体重増加、脂肪肝、生活習慣病、肥満治療について相談したい方は、まずはご自身の体の状態を知るところから始めてみてください。

横濱おなか診療所では、消化器内科・内科・肛門外科・内視鏡検査を行う地域のクリニックとして、体重だけでなく、おなかの症状や生活習慣病のリスクも含めて、無理のない体重管理を一緒に考えていきます。

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