健康診断や人間ドックで 「血圧…
公開日:2026年05月10日
更新日:2026年05月04日

目次
健康診断で
「尿酸値が高めです」
「高尿酸血症の疑いがあります」
と言われても、すぐに痛みがあるわけではないため、
そのまま様子を見てしまう方は少なくありません。
しかし、高尿酸血症は、痛風発作だけの問題ではありません。
尿酸値が高い状態が続くと、足の親指の付け根などに強い痛みを起こす痛風発作のほか、尿路結石、腎機能障害、生活習慣病との関連にも注意が必要です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、高尿酸血症は痛風や尿路結石、腎障害の原因となるだけでなく、肥満・高血圧・脂質異常症・高血糖を合併しやすい状態として解説されています。
横濱おなか診療所では、消化器内科・内科・肛門外科・内視鏡検査を中心に、
地域のかかりつけ医として、健康診断で見つかった生活習慣病のご相談にも対応しています。
今回は、「高尿酸血症・痛風を防ぐ食事と生活習慣」について、日常生活で実践しやすい内容を中心にお話しします。
高尿酸血症とは?
高尿酸血症とは、血液中の尿酸が多くなっている状態です。
一般的には、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と判断されます。
尿酸は、体の細胞や食品に含まれる「プリン体」が分解されることで作られる老廃物です。
通常は腎臓から尿として排泄されますが、尿酸が作られすぎたり、腎臓からうまく排泄されなかったりすると、血液中の尿酸値が高くなります。
高尿酸血症のやっかいなところは、初期には自覚症状がほとんどないことです。
「痛くないから大丈夫」と思っていても、体の中では尿酸が少しずつたまり、ある日突然、痛風発作として現れることがあります。

痛風とは?どんな症状が出るのか
痛風は、血液中に増えた尿酸が結晶となり、関節にたまって強い炎症を起こす病気です。
典型的には、足の親指の付け根が赤く腫れ、歩くのもつらいほどの強い痛みが出ます。
痛みは突然起こることが多く、「夜中に急に足が痛くなった」「靴下が触れるだけでも痛い」と表現される方もいます。
数日から1週間程度でいったん痛みが落ち着くこともありますが、原因である高尿酸血症を放置すると、発作を繰り返すことがあります。
痛風発作が起きている時期は、炎症を抑える治療が中心になります。
一方で、発作が落ち着いた後は、再発を防ぐために尿酸値そのものを管理していくことが大切です。
尿酸値が上がる主な原因
尿酸値が高くなる原因は、食事だけではありません。
体質、肥満、飲酒、運動不足、脱水、ストレス、腎機能、服用中のお薬など、複数の要因が関係します。
特に注意したいのは、内臓脂肪の増加です。
肥満やメタボリックシンドロームがあると、尿酸の排泄が低下しやすくなり、尿酸値が上がりやすくなります。
高尿酸血症では、肥満・高血圧・脂質異常症・高血糖などを一緒に認めることが多く、全身の生活習慣病として捉えることが大切です。
つまり、高尿酸血症の対策は「プリン体を少し減らす」だけでは不十分です。
食事、体重、飲酒、水分、運動を総合的に見直すことが、痛風予防につながります。
食事で気をつけたいポイント
1. 食べすぎを避け、適正体重を目指す
高尿酸血症の食事療法で最も大切なのは、極端な制限ではなく、食べすぎを避けて適正体重に近づけることです。
「プリン体が多い食品だけを避ければよい」と考えがちですが、実際には総エネルギー量が多く、体重が増えている状態そのものが尿酸値を上げる原因になります。
食事量を少し整え、内臓脂肪を減らすことは、尿酸値だけでなく、血圧、血糖、脂質、脂肪肝の改善にもつながります。
当院でも、健康診断で尿酸値、肝機能、脂質、血糖が同時に指摘される方をよく拝見します。
この場合、尿酸値だけを単独で見るのではなく、生活習慣病全体のサインとして捉えることが大切です。
2. プリン体の多い食品は「量」と「頻度」を意識する
プリン体は、レバー、白子、干物、魚卵、一部の魚介類、肉類などに多く含まれます。
これらを完全に禁止する必要はありませんが、毎日のように多量に食べる習慣がある方は見直しが必要です。
大切なのは、「食べてはいけない食品」を増やしすぎることではなく、偏りを減らすことです。
肉や魚に偏った食事を少し控え、野菜、海藻、きのこ、大豆製品、乳製品などを組み合わせることで、無理なくバランスを整えやすくなります。
3. 甘い飲み物・果糖にも注意する
高尿酸血症というと「ビール」「プリン体」の印象が強いですが、実は甘い飲み物にも注意が必要です。
果糖を多く含む清涼飲料水や果汁飲料は、尿酸値を上げる要因となることがあります。
高尿酸血症・痛風の食事療法として、適正エネルギー、プリン体、蔗糖・果糖の摂取制限、十分な水分摂取が勧められると説明されています。
水分補給のつもりでスポーツドリンクやジュースを頻繁に飲んでいる方は、水やお茶に置き換えるだけでも、尿酸値や体重管理に良い影響が期待できます。

お酒との付き合い方|ビールだけが悪者ではありません
「痛風にはビールが悪い」と聞いたことがある方は多いと思います。
確かにビールにはプリン体が含まれますが、注意すべきはビールだけではありません。
アルコールそのものに尿酸値を上げる働きがあります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、アルコールはプリン体の有無にかかわらず尿酸値を上げるため、どの種類のお酒でも適切な飲酒量にとどめることが重要とされています。
「プリン体ゼロだから大丈夫」「焼酎なら問題ない」というわけではありません。
飲酒量が多い方、休肝日がない方、飲酒時に揚げ物や肉料理が増える方は、尿酸値が上がりやすい生活パターンになっている可能性があります。
まずは、飲む回数を減らす、1回量を減らす、休肝日を作る、飲酒時のつまみを見直すところから始めてみましょう。
水分摂取と運動も大切です
尿酸は尿から排泄されるため、水分不足は尿酸値や尿路結石のリスクに関係します。
特に夏場、運動後、発汗が多い仕事の方は、脱水に注意が必要です。
水分は、甘い飲み物ではなく、水やお茶を基本にしましょう。
ただし、心不全や腎臓病などで水分制限が必要な方は、自己判断で水分量を増やさず、主治医に確認してください。
運動については、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
一方で、急に激しい筋トレや無酸素運動を行うと、かえって尿酸値が上がることがあります。
久しぶりに運動を始める方は、「少し息が弾む程度」の運動を継続することを目標にしましょう。

受診の目安|どんな時に相談すべきか
次のような方は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
・健康診断で尿酸値が7.0mg/dLを超えている
・足の親指の付け根、足首、膝などが急に腫れて強く痛んだ
・痛風発作を繰り返している
・尿酸値に加えて、血圧、血糖、脂質、肝機能も指摘されている
・尿路結石を起こしたことがある
・腎機能の低下を指摘されている
・自己流の食事制限で何を食べてよいかわからなくなっている
高尿酸血症は、生活習慣の見直しだけで改善が期待できる場合もありますが、尿酸値の高さ、痛風発作の有無、腎機能、合併症によっては薬物療法が必要になることもあります。
日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインも、高尿酸血症・痛風診療の標準化を目的として作成されています。
「食事で何とかしたい」というお気持ちは自然なことですが、痛風発作を繰り返す場合や尿酸値が高い状態が続く場合は、早めに相談していただく方が安心です。

横濱おなか診療所でできること
横濱おなか診療所では、横浜市緑区・中山駅周辺の皆さまのかかりつけ医として、内科的な生活習慣病のご相談にも対応しています。
高尿酸血症は、消化器内科の病気そのものではありませんが、脂肪肝、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧などと重なって見つかることが多い病気です。
当院では、必要に応じて血液検査、尿検査、腹部超音波検査などを組み合わせながら、体全体の状態を確認します。
また、腹痛、便通異常、血便、肛門症状などがある方には、消化器内科・肛門外科の視点から診察を行い、必要に応じて胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査も検討します。当院では診断の助けとして、超音波検査や内視鏡検査を常備していることを公式サイトでもご案内しています。
尿酸値だけでなく、「健診結果全体をどう見ればよいかわからない」という方もご相談ください。
数値をただ下げることだけでなく、将来の生活習慣病を防ぐために、無理なく続けられる方法を一緒に考えていきたいと思います。
まとめ|高尿酸血症は「生活を整えるサイン」です
高尿酸血症は、痛風発作が起きるまで気づきにくい病気です。
しかし、尿酸値が高いという結果は、食事、飲酒、体重、水分、運動、生活リズムを見直す大切なサインでもあります。
大切なのは、急に厳しい制限を始めることではありません。
食べすぎを避ける、飲酒量を見直す、甘い飲み物を減らす、水分をしっかりとる、無理のない運動を続ける。
こうした小さな積み重ねが、痛風予防と生活習慣病予防につながります。
横浜市緑区・中山駅周辺で、健康診断の尿酸値、高尿酸血症、痛風、生活習慣病についてご不安がある方は、横濱おなか診療所へお気軽にご相談ください。
消化器内科・内科・肛門外科・内視鏡検査を中心に、地域の皆さまの健康管理を丁寧にお手伝いしてまいります。
よくある質問 Q&A
Q1. 尿酸値が高いだけで、痛みがなければ放置してもよいですか?
痛みがなくても、尿酸値が高い状態が続く場合は注意が必要です。
痛風発作だけでなく、尿路結石、腎機能、生活習慣病との関連も考える必要があります。
まずは健診結果全体を確認し、生活習慣の見直しや再検査の必要性を相談しましょう。
Q2. プリン体の多い食品は完全に禁止ですか?
完全に禁止する必要はありません。大切なのは、量と頻度を調整することです。
レバー、白子、干物、魚卵などを頻繁に多量に食べている場合は控えめにし、野菜、海藻、きのこ、大豆製品、乳製品なども取り入れて、食事全体のバランスを整えましょう。
Q3. プリン体ゼロのお酒なら飲んでも大丈夫ですか?
プリン体ゼロでも、アルコールそのものが尿酸値を上げる原因になります。
ビールだけでなく、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーなども飲みすぎには注意が必要です。
量を減らす、休肝日を作る、つまみを見直すことが大切です。
Q4. 痛風発作が起きたら、すぐ尿酸値を下げる薬を始めるのですか?
痛風発作の最中は、まず炎症と痛みを抑える治療を優先することが一般的です。
尿酸値を下げる治療の開始時期や薬の選択は、発作の状態、尿酸値、腎機能、合併症によって異なります。
自己判断で薬を始めたり中止したりせず、医師に相談してください。
Q5. 尿酸値が高い時、何科を受診すればよいですか?
まずは内科で相談していただくのがよいと思います。
健康診断で尿酸値だけでなく、血圧、血糖、脂質、肝機能も指摘されている場合は、生活習慣病全体として確認することが大切です。
横濱おなか診療所でも、内科・消化器内科の診療の中で、健診異常や高尿酸血症のご相談に対応しています。









