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左下腹部の痛みと便秘の関係|大腸憩室炎にも注意したいサイン

公開日:2026年05月20日
更新日:2026年05月20日

「左下腹部がチクチク痛む」
「便秘が続いてからお腹の左下が張る」
「排便後もすっきりせず、同じ場所が痛い」

このような症状で受診される方は少なくありません。

左下腹部の痛みというと、便秘やガスだまりを思い浮かべる方が多いと思います。
実際に、便がたまることで腸が張り、左下腹部に違和感や痛みを感じることはあります。
一方で、痛みが強い、発熱を伴う、数日続く、押すと強く痛むといった場合には、大腸憩室炎などの病気が隠れていることもあります。

今回は、横浜市緑区・中山駅近くで消化器内科・肛門外科・内視鏡検査を行っている横濱おなか診療所の院長として、左下腹部痛と便秘、そして大腸憩室炎の関係について、できるだけわかりやすくお話しします。

左下腹部にはどのような臓器がある?

左下腹部には、大腸の一部である下行結腸S状結腸があります。
S状結腸は便が一時的にたまりやすい場所で、便秘やガスの影響を受けやすい部位です。

そのため、左下腹部の痛みは、
便秘、
腸のけいれん、
過敏性腸症候群、
感染性腸炎、
大腸憩室炎、
虚血性腸炎、
大腸ポリープや
大腸がんなど、
さまざまな原因で起こります。
女性では
婦人科疾患、
泌尿器の疾患で
尿管結石なども
鑑別が必要になることがあります。

「便秘だから大丈夫」と決めつけず、痛み方や経過を見ながら判断することが大切です。

便秘で左下腹部が痛くなる理由

便秘が続くと、大腸の中に便やガスがたまり、腸の内側から圧がかかります。
特にS状結腸は曲がりくねった構造をしているため、便が停滞しやすく、左下腹部の張りや鈍い痛みにつながることがあります。

便秘による痛みでは、排便やガスが出ることで少し楽になることがあります。
反対に、便意があるのに出ない、強くいきむ、残便感が続くといった状態が続くと、腸への負担が大きくなります。

また、慢性的な便秘は大腸の内圧を高め、後述する大腸憩室ができやすくなる要因の一つと考えられています。
憩室は大腸の壁の一部が外側に袋状にふくらんだもので、多くは無症状ですが、炎症を起こすと腹痛や発熱の原因になります。

大腸憩室炎とは?

大腸憩室炎とは、大腸にできた小さな袋状のくぼみ、つまり憩室に便や細菌が入り込み、炎症を起こした状態です。
大腸憩室そのものは、検査で偶然見つかることも多く、憩室があるだけでは症状がない方も多くいらっしゃいます。

しかし、憩室に炎症が起こると、腹痛、発熱、吐き気、便秘、下痢などが出ることがあります。
左側の大腸に炎症が起きると、左下腹部の痛みとして自覚されやすくなります。

便秘と大腸憩室炎は関係する?

便秘があると、便を押し出すために腸の内圧が高まりやすくなります。
長期間にわたり腸に負担がかかると、大腸の壁の弱い部分が外側へふくらみ、憩室ができやすくなると考えられています。

ただし、「便秘があるから必ず憩室炎になる」というわけではありません。
憩室があっても一生症状が出ない方もいますし、便秘がなくても憩室炎を起こすことがあります。

大切なのは、便秘を単なる体質として放置せず、便通の状態を整え、腹痛や発熱などの変化が出たときに早めに確認することです。

大腸憩室炎を疑う症状

次のような症状がある場合は、大腸憩室炎を含めた病気の可能性を考えます。

左下腹部の痛みが続く、押すと痛みが強い、歩くと響く、発熱がある、吐き気がある、便秘や下痢を伴う、食欲が落ちている、血便がある。

このような場合は、自己判断で下剤を増やしたり、痛み止めだけで様子を見たりせず、消化器内科に相談していただくことをおすすめします。

特に、発熱を伴う腹痛や、痛みが日に日に強くなる場合には注意が必要です。
憩室炎が悪化すると、膿瘍や穿孔などの合併症を起こすことがあります。

検査では何を確認する?

診察では、まず痛みの部位、発症時期、便通、発熱の有無、食事内容、これまでの大腸カメラ歴などを確認します。
腹部の診察に加えて、血液検査で炎症反応を確認したり、腹部超音波検査を行ったりします。

憩室炎が疑われる場合、炎症の範囲や膿瘍の有無を確認するためにCT検査が有用となることがあります。
当院では必要に応じて近隣医療機関と連携し、CTやMRIなどの画像検査につなげることもあります。

なお、強い炎症が疑われる急性期には、大腸カメラをすぐに行わないことがあります。
大腸内視鏡検査は大腸がんや炎症性腸疾患などの確認に大切な検査ですが、憩室炎の炎症が強い時期には腸への刺激が負担になる可能性があるためです。

炎症が落ち着いた後、必要に応じて大腸カメラで大腸全体を確認します。

左下腹部痛で大腸カメラが必要になることも

左下腹部痛が繰り返される場合、便秘や過敏性腸症候群だけでなく、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患などを確認する必要があります。

特に、便に血が混じる、便が細くなった、急に便秘が悪化した、体重が減っている、貧血を指摘された、便潜血検査で陽性になったといった場合は、大腸内視鏡検査を検討します。

横濱おなか診療所では、中山駅近くの地域のかかりつけとして、胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査を行っています。
消化器内視鏡専門医、大腸肛門病専門医として、腹痛・便秘・下痢・血便などの症状を、できるだけ丁寧に整理しながら診療することを大切にしています。

受診の目安

左下腹部の痛みが軽く、排便やガスで改善し、発熱もない場合は、一時的な便秘や腸の張りであることもあります。
水分をとり、食事内容を見直し、無理のない範囲で体を動かすことで改善することもあります。

一方で、次のような場合は早めに受診してください。

痛みが数日続く、痛みが強くなっている、発熱がある、吐き気や嘔吐がある、血便がある、歩くとお腹に響く、市販薬を使っても改善しない、便秘と下痢を繰り返す。

このような症状では、憩室炎だけでなく、感染性腸炎、虚血性腸炎、尿路結石、婦人科疾患なども含めて確認が必要です。

横浜市緑区、中山駅周辺で、左下腹部の痛みや便秘、血便、下痢などにお困りの方は、消化器内科や肛門外科でご相談ください。

便秘を整えるために日常生活でできること

憩室炎の予防を完全に保証する方法はありませんが、便通を整えることは大腸への負担を減らすうえで大切です。

食物繊維を含む野菜、海藻、きのこ、豆類、全粒穀物などを無理のない範囲で取り入れること、水分をこまめにとること、便意を我慢しないこと、強くいきみすぎないこと、適度に体を動かすことが基本になります。

ただし、腹痛や発熱がある急性期には、自己判断で食物繊維を増やすとかえって負担になる場合があります。
症状が強い時期は、まず医療機関で状態を確認し、その時期に合った食事や薬の使い方を相談しましょう。

当院で大切にしていること

お腹の症状は、我慢できてしまうことが多い一方で、生活の質を大きく下げます。
便秘、下痢、腹痛、血便などは、恥ずかしさや忙しさから相談が遅れやすい症状でもあります。

私は、症状だけを見てすぐに決めつけるのではなく、「いつから」「どの場所が」「どのように痛むのか」「便通と関係があるのか」を一緒に整理することを大切にしています。

横濱おなか診療所では、消化器内科、肛門外科、内視鏡検査を通じて、便秘や左下腹部痛の背景にある病気を見逃さないよう努めています。

必要な検査を必要なタイミングで行い、必要以上に不安をあおらず、安心につながる説明を心がけています。

まとめ

左下腹部の痛みは、便秘やガスだまりで起こることもありますが、大腸憩室炎などの病気が隠れていることもあります。

特に、左下腹部痛に発熱、吐き気、血便、強い圧痛、数日続く痛みを伴う場合は注意が必要です。
便秘が続いている方、過去に大腸憩室を指摘された方、大腸カメラをしばらく受けていない方は、症状をきっかけに一度確認しておくと安心です。

横浜・中山駅周辺で、左下腹部の痛み、便秘、下痢、血便などが気になる方は、横濱おなか診療所までご相談ください。
お腹の症状を一つひとつ整理しながら、必要な検査や治療を一緒に考えていきます。

Q&A:左下腹部痛と大腸憩室炎について

Q1. 左下腹部が痛いときは、まず便秘を疑ってよいですか?

便秘が原因のこともありますが、必ずしも便秘だけとは限りません。
痛みが強い、発熱がある、血便がある、数日続く場合は、消化器内科での確認をおすすめします。

Q2. 大腸憩室があると言われました。必ず治療が必要ですか?

憩室があるだけで症状がなければ、すぐに治療が必要とは限りません。
ただし、腹痛、発熱、血便などが出た場合は、憩室炎や憩室出血の可能性があるため受診が必要です。

Q3. 憩室炎のときに大腸カメラはできますか?

炎症が強い急性期には、大腸カメラをすぐに行わないことがあります。
まず診察や血液検査、必要に応じて画像検査で状態を確認し、炎症が落ち着いてから大腸内視鏡検査を検討します。

Q4. 便秘薬を飲めば左下腹部痛は改善しますか?

便秘による痛みであれば改善することもあります。
ただし、憩室炎や腸閉塞などが隠れている場合、自己判断で下剤を使うことが適切でないこともあります。
痛みが強い場合や発熱を伴う場合は、薬を増やす前に受診してください。

Q5. 大腸憩室炎は再発しますか?

再発することがあります。便通管理、食生活、水分摂取、適度な運動などを通じて腸への負担を減らすことが大切です。
ただし、予防法は個人の状態によって異なるため、再発を繰り返す方は医師と相談しましょう。

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