健康診断や人間ドックで 「血圧…
公開日:2026年06月03日
更新日:2026年05月30日

目次
はじめに|「まだ糖尿病ではない」と言われたときこそ大切な時期です
健康診断で
「血糖値が高めです」
「HbA1cが少し高いです」
「糖尿病予備群です」と言われ、不安になったことはありませんか。
外来でも、健診結果を持参されて、
「これは糖尿病なのでしょうか」
「薬を飲まないといけませんか」
「食事をどこまで制限すればよいですか」
と相談される方は少なくありません。
糖尿病予備群は、正式には境界型糖尿病と呼ばれることがあります。
これは、糖尿病と診断されるほどではないものの、血糖値が正常より高くなっている状態です。

大切なのは、糖尿病予備群は「様子を見てよいだけの状態」ではない一方で、生活習慣を見直すことで、将来の糖尿病を予防できる可能性がある時期でもあるということです。
横浜市緑区・中山駅近くの横濱おなか診療所では、消化器内科・内科・肛門外科の診療を行う中で、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病についてもご相談をお受けしています。
この記事では、糖尿病予備群とはどのような状態なのか、境界型糖尿病との違い、注意したい症状、生活習慣改善のポイント、受診の目安について、院長ブログとしてできるだけわかりやすくお伝えします。
糖尿病予備群とは?
糖尿病予備群とは、血糖値が正常より高いものの、まだ糖尿病と診断される基準には達していない状態を指します。

たとえば、空腹時血糖、食後血糖、HbA1c、75g経口ブドウ糖負荷試験などの結果をもとに判断されます。
一般的には、空腹時血糖が高め、またはブドウ糖を飲んだ後の血糖値が下がりにくい場合に、境界型糖尿病と判断されることがあります。
HbA1cは、過去1〜2か月程度の平均的な血糖状態を反映する指標です。
健診でHbA1cが高めと言われた場合、採血したその日だけの問題ではなく、日頃の血糖の上がり方が関係している可能性があります。
一方で、血糖値は食事内容、採血時間、体調、睡眠不足、ストレスなどでも変動します。
そのため、1回の健診結果だけで過度に心配しすぎる必要はありませんが、「少し高いだけ」と放置しないことが大切です。
境界型糖尿病はなぜ注意が必要なのでしょうか
糖尿病予備群の段階では、自覚症状がほとんどないことが多いです。
のどが渇く、尿が多い、体重が減るといった典型的な症状が出る前から、血糖値の異常はゆっくり進んでいることがあります。
糖尿病予備群の方では、血糖値だけでなく、内臓脂肪、脂肪肝、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などが一緒に見つかることもあります。
消化器内科の外来でも、腹部エコーで脂肪肝を指摘された方が、健診で血糖値や中性脂肪も高いというケースは珍しくありません。

つまり、糖尿病予備群は、単に「血糖値が少し高い状態」ではなく、体全体の代謝バランスが崩れ始めているサインとして考えることが大切です。
糖尿病予備群でみられやすい背景
糖尿病予備群の背景には、さまざまな生活習慣や体質が関係します。
代表的なものとして、食べ過ぎ、早食い、間食、甘い飲み物、夜遅い食事、運動不足、体重増加、内臓脂肪の蓄積、睡眠不足、ストレスなどがあります。
特に現代の生活では、忙しさから朝食を抜き、昼食は麺類や丼もの、夕食は遅い時間にまとめて食べるという食習慣になりがちです。
こうした食べ方は、食後血糖の急上昇につながることがあります。
また、糖尿病は「甘いものを食べる人だけの病気」ではありません。
白米、パン、麺類などの主食量が多い、アルコール量が多い、運動量が少ない、筋肉量が低下している、といったことも血糖の上がりやすさに関係します。
私は外来で、患者さんに「糖質を全部やめましょう」とお伝えすることはあまりありません。
極端な制限は長続きしにくく、筋肉量の低下やリバウンドにつながることもあります。
まずは、続けられる範囲で食べ方を整えることが大切です。
生活習慣改善のポイント① 食事は「減らす」より「整える」
糖尿病予備群と言われると、まず「糖質を減らさなければ」と考える方が多いかもしれません。
もちろん、甘い飲み物、菓子パン、スイーツ、間食、夜食が多い場合は見直しが必要です。
しかし、食事改善で大切なのは、単に量を減らすことではなく、血糖値が急に上がりにくい食べ方に整えることです。
具体的には、野菜、海藻、きのこ、たんぱく質を先に食べ、主食を最後にする。
白米や麺類だけで済ませず、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質を組み合わせる。
甘い飲み物を水やお茶に変える。夜遅い食事をできるだけ軽くする。
こうした小さな工夫が積み重なることで、血糖の急上昇を抑えやすくなります。
特に中年以降では、筋肉量を守ることも重要です。
食事量だけを減らすと、体重は落ちても筋肉も減り、かえって血糖を処理する力が落ちることがあります。
「食べない」よりも「必要な栄養をとりながら整える」という視点を持ちましょう。
生活習慣改善のポイント② 運動は血糖を下げる薬のように働きます
運動は、糖尿病予備群の改善にとても大切です。筋肉は血糖を取り込む大きな臓器のような役割を持っています。
そのため、筋肉を動かすことで、血糖値が下がりやすくなります。
とはいえ、急にジムに通ったり、激しい運動を始めたりする必要はありません。
まずは、食後に10〜15分歩く、エレベーターではなく階段を使う、少し遠回りして帰る、座りっぱなしの時間を減らすことからで十分です。
特に食後の軽いウォーキングは、食後血糖の上昇を抑える助けになります。
忙しい方でも、昼食後や夕食後に少し歩く習慣を作るだけで、体の変化を感じやすくなることがあります。
また、週に数回、スクワットやかかと上げなどの軽い筋力トレーニングを取り入れることも有効です。
大切なのは、完璧を目指すことではありません。続けられる運動を、生活の中に自然に入れることです。
生活習慣改善のポイント③ 体重・睡眠・腸内環境も大切です
糖尿病予備群の改善では、体重管理も重要です。
特に内臓脂肪が多いと、インスリンが効きにくくなり、血糖が下がりにくくなることがあります。
ただし、体重だけを見て一喜一憂する必要はありません。
体重が大きく変わらなくても、食事や運動を整えることで血糖値、脂質、肝機能、腹囲が改善することがあります。
また、睡眠不足やストレスも血糖コントロールに影響します。
寝不足が続くと食欲が増えたり、甘いものを欲しやすくなったりすることがあります。
忙しい方ほど、睡眠、食事、運動を別々に考えるのではなく、生活全体として見直すことが大切です。
さらに、便秘や下痢、お腹の張りなどのおなかの不調があると、食生活が乱れやすくなります。
横濱おなか診療所では、消化器内科として胃腸症状を診ながら、生活習慣病や体重管理も含めて考えることを大切にしています。

受診を考えた方がよい目安
糖尿病予備群と言われた場合、次のような方は一度医療機関で相談することをおすすめします。
健診でHbA1cや血糖値が毎年少しずつ上がっている方、家族に糖尿病の方がいる方、腹囲や体重が増えてきた方、脂肪肝や中性脂肪高値を指摘された方、高血圧や脂質異常症もある方、のどの渇きや尿の回数の増加が気になる方は、早めに状態を確認しておくと安心です。
また、糖尿病予備群の段階では、薬が必要かどうかよりも、まず現在の血糖状態を正しく把握することが大切です。
空腹時血糖、HbA1c、尿検査、肝機能、脂質、腎機能などを確認し、必要に応じて再検査や生活習慣の見直しを行います。

「まだ症状がないから大丈夫」と思っている時期こそ、将来の病気を防ぐチャンスです。
糖尿病予備群は、早めに気づいて行動することで流れを変えられる段階と考えてください。
横濱おなか診療所でできること
横濱おなか診療所は、横浜市緑区・中山駅近くにある、消化器内科・肛門外科・内科・外科の診療所です。
当院ではおなかの診療に加えて、高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病についても診療を行っています。
糖尿病予備群の方では、血糖値だけでなく、体重、腹囲、脂肪肝、便通、食事内容、睡眠、運動習慣などを一緒に確認することが大切です。
必要に応じて、血液検査や尿検査を行い、現在の体の状態を把握していきます。
私は、糖尿病予備群の方に対して、厳しい制限を押しつけるよりも、患者さんの生活の中で「これなら続けられそう」と思える方法を一緒に探すことが大切だと考えています。
まとめ|糖尿病予備群は「今なら変えられる」サインです
糖尿病予備群、境界型糖尿病と言われると、不安になる方も多いと思います。
しかし、この段階で気づけたことは、決して悪いことではありません。
むしろ、糖尿病になる前に生活を見直すきっかけを得られたとも言えます。
糖尿病予備群では、食事、運動、体重管理、睡眠、ストレス、腸内環境など、日常生活の積み重ねが大切です。
すべてを一度に変える必要はありません。
まずは甘い飲み物を減らす、食後に歩く、夜遅い食事を軽くする、体重や血圧を記録するなど、できることから始めてみましょう。
横浜市緑区・中山駅周辺で、健診の血糖値、HbA1c、糖尿病予備群、生活習慣病について気になる方は、消化器内科・内科の外来でご相談ください。
横濱おなか診療所では、専門医としての視点を活かしながら、おなかの症状と全身の健康をつなげて考える診療を大切にしています。
Q&A|糖尿病予備群についてよくある質問
Q1. 糖尿病予備群と言われたら、もう糖尿病なのでしょうか?
糖尿病予備群は、糖尿病と診断される状態ではありません。
ただし、正常より血糖が高く、将来糖尿病に進むリスクがある状態です。
今の段階で生活習慣を見直すことが大切です。
Q2. HbA1cが少し高いだけでも受診した方がよいですか?
毎年少しずつ上がっている場合や、血糖値、体重、脂質、肝機能なども一緒に指摘されている場合は、一度相談しておくと安心です。
健診結果を持参していただくと、これまでの変化も含めて確認しやすくなります。
Q3. 糖質は完全にやめた方がよいですか?
多くの場合、糖質を完全にやめる必要はありません。
大切なのは、主食の量、食べる順番、間食、甘い飲み物、夜遅い食事などを見直すことです。
極端な制限より、続けられる食事改善を目指しましょう。
Q4. 運動が苦手でも改善できますか?
運動が苦手な方でも、食後に少し歩く、階段を使う、座りっぱなしを減らすなど、小さな工夫から始められます。
最初から完璧を目指さず、できることを続けることが大切です。
Q5. おなかの不調と血糖値は関係しますか?
直接の原因が常に同じというわけではありませんが、食生活、体重、脂肪肝、腸内環境、便通などは互いに関係することがあります。
便秘、下痢、腹痛、胃もたれなどが続く場合は、消化器内科で相談していただくとよいでしょう。









