「お腹が痛くなりやすい」「緊張…
公開日:2026年04月26日
更新日:2026年04月26日

目次
こんにちは。横浜市緑区・中山駅近くで
おなかとおしりの診療をしております横濱おなか診療所です。
トイレで便に血がついているのを見つけると、多くの方が驚かれると思います。
「痔かな?」
「大腸がんだったらどうしよう」
「一度だけなら様子を見てもいいのかな」
外来でも、血便についてはとてもよくご相談をいただきます。
実際、血便の原因として痔は非常に多い病気です。
特に、排便時にいきんだあと、
トイレットペーパーに鮮やかな赤い血がつくような場合は、
いぼ痔や切れ痔など肛門周囲の病気が関係していることがあります。
一方で、血便は大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、大腸憩室出血など、
腸の病気のサインとして出ることもあります。
大腸がんは早期には自覚症状がほとんどないことが多く、
進行すると血便、便通異常、便が細くなる、残便感、貧血、腹痛などがみられることがあります。
今回は、横浜・中山駅周辺で消化器内科、肛門外科、内視鏡検査を行っている立場から、
「血便が出たときにどのように考えればよいか」を、できるだけ分かりやすくお話しします。
血便とは?「赤い血」だけが血便ではありません
血便というと、真っ赤な血が便に付く状態を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、医学的には便に血液が混じる状態を広く血便・下血と呼びます。
血液の見え方は、出血している場所や出血量、
便として出てくるまでの時間によって変わります。
たとえば、
肛門に近い場所からの出血では、
鮮やかな赤い血として見えることが多くなります。
反対に、
胃や十二指腸など上部消化管からの出血では、
血液が消化液の影響を受けて黒っぽい便、
いわゆるタール便のように見えることがあります。
大腸の奥の方から出血した場合には、
真っ赤というより暗赤色、赤黒い便として見えることもあります。
つまり、
血便は「色」を見ることで、
ある程度の出血部位を推測できることがあります。
ただし、
色だけで病気を正確に診断することはできません。
痔と思っていたら大腸ポリープや大腸がんが見つかることもありますし、
反対に大きな病気を心配して受診した結果、肛門の切れ痔だったということもあります。
鮮やかな赤い血:痔のことも多いが、直腸の病気にも注意
便の表面に赤い血がつく、
トイレットペーパーに血がつく、
便器にポタポタと血が落ちる。
このような場合、
まず多くの方が考えるのは痔だと思います。
実際、いぼ痔、切れ痔などの肛門疾患では、
鮮やかな赤い出血がみられることがあります。
横濱おなか診療所の既存コラムでも、
痔核による出血は鮮やかな赤色で、
排便時に紙に付く程度、
またはポタポタと滴る程度の少量であることが多い
と説明しています。
そして切れ痔の場合は、
排便時の痛みを伴うことが多く、
硬い便や便秘がきっかけになることがあります。
ただし、ここで注意したいのは、
「鮮血だから痔」とは言い切れないことです。
直腸がん、直腸ポリープ、直腸炎など、
肛門に近い大腸の病気でも鮮やかな赤い血が出ることがあります。
特に、
・40歳以上で初めて血便が出た方、
・便が細くなった方、
・便秘と下痢を繰り返す方、
・便に血が混じる状態が続く方は、
痔と決めつけずに一度消化器内科や肛門外科で確認した方が安心です。
暗赤色・赤黒い便:大腸の奥からの出血も考えます
便全体に赤黒い血が混じっている、暗赤色の便が出る。
このような場合は、肛門だけでなく大腸の中からの出血も考える必要があります。
原因としては、
大腸憩室出血、大腸ポリープ、大腸がん、虚血性腸炎、炎症性腸疾患などが挙げられます。
大腸憩室出血では、腹痛があまり強くないのに
突然まとまった血便が出ることがあります。
虚血性腸炎では、腹痛に続いて血便が出ることがあり、
高齢の方、便秘傾向の方、動脈硬化のリスクがある方では注意が必要です。
また、大腸がんは、できる場所によって症状の出方が異なります。
国立がん研究センターの情報でも、
下行結腸、S状結腸、直腸など左側の大腸がんでは、
血便や便が細くなる症状が出やすい一方、
右側の大腸がんでは腹部症状が目立ちにくく、
貧血などで見つかることがあるとされています。
「痛くないから大丈夫」とは限らないのが、血便の難しいところです。
黒い便:胃や十二指腸からの出血にも注意
便が黒い、海苔の佃煮のように黒く粘る、強いにおいがある。
このような便は、胃や十二指腸など上部消化管からの出血でみられることがあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、食道静脈瘤などが原因になることがあります。
特に、
ふらつき、冷や汗、動悸、息切れ、強いだるさを伴う場合は、
出血量が多い可能性もあります。
ただし、鉄剤を飲んでいる方、特定の食品や薬の影響で便が黒っぽく見えることもあります。
判断が難しい場合は、自己判断せずに医療機関へご相談ください。
粘液と血が混じる便:腸の炎症が隠れていることも
血液だけでなく、粘液が混じったような便が出る場合もあります。
いわゆる粘血便です。
この場合、潰瘍性大腸炎、感染性腸炎、直腸炎、過敏性腸症候群に似た症状を伴う腸の炎症などが考えられます。
腹痛、下痢、発熱、しぶり腹、何度もトイレに行きたくなる感じを伴う場合は、腸の粘膜に炎症が起きている可能性があります。
一時的な感染性腸炎で改善することもありますが、
症状が長引く場合や血便を繰り返す場合には、内視鏡検査などで腸の状態を確認することが大切です。
「痔があるから大腸がんではない」とは言えません
外来でよくあるのが、
「昔から痔があるので、今回の血便も痔だと思っていました」
というケースです。
もちろん、本当に痔からの出血であることも多いです。
しかし、
痔がある方に大腸ポリープや大腸がんが同時に存在しないとは言えません。
特に注意したいのは、次のような場合です。
・血便を繰り返している
・血が便の表面だけでなく中に混じっている
・便が細くなった
・便秘や下痢が続く
・残便感がある
・体重が減ってきた
・貧血を指摘された
・40歳以上で初めて血便が出た
・大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある
・便潜血検査で陽性になった
こうした場合は、痔の診察だけでなく、
大腸内視鏡検査を含めて検討した方がよいことがあります。
便潜血陽性を放置しないでください
健康診断や横浜市のがん検診などで、
便潜血検査が陽性になることがあります。
便潜血検査は、目に見えない微量の血液を調べる検査です。
ここで大切なのは、
「もう一度便潜血をやって陰性なら大丈夫」と自己判断しないことです。
厚生労働省の大腸がん検診資料では、
便潜血検査で陽性となった場合の精密検査の第一選択は全大腸内視鏡検査とされ、
便潜血検査を繰り返すだけの精密検査は大腸がんの見落としにつながるため行わないとされています。
便潜血陽性は、必ずしも大腸がんを意味するものではありません。
痔、ポリープ、炎症などでも陽性になることがあります。
しかし、何が原因で陽性になったのかを確認することが重要です。
すぐに受診した方がよい血便
次のような場合は、早めの受診、場合によっては救急受診を検討してください。
・大量の血便が出た
・血便が何度も続く
・めまい、ふらつき、冷や汗がある
・動悸、息切れ、強いだるさがある
・強い腹痛を伴う
・黒色便が出ている
・発熱や激しい下痢を伴う
・抗凝固薬、抗血小板薬を内服している
・高齢の方で血便が出た
出血量が多い場合や全身症状を伴う場合は、
診療所ではなく救急対応が可能な病院での診療が必要になることもあります。
一方で、少量の出血で症状が落ち着いている場合でも、
繰り返す血便や原因がはっきりしない血便は、
消化器内科・肛門外科で確認しておくことをおすすめします。
血便で行う検査
血便で受診された場合、まずは症状の経過を丁寧に伺います。
いつから出血しているのか。
血の色は鮮やかな赤なのか、暗赤色なのか、黒いのか。
便の表面についているのか、便に混じっているのか。
腹痛、下痢、便秘、発熱、体重減少、貧血症状があるのか。
内服薬に血液をサラサラにする薬があるのか。
こうした情報が診断の手がかりになります。
肛門からの出血が疑われる場合には、
肛門診察や肛門鏡で痔や裂肛の有無を確認します。
必要に応じて血液検査で貧血や炎症を確認することもあります。
大腸からの出血が疑われる場合、
または大腸ポリープ・大腸がんを否定したい場合には、
大腸内視鏡検査が重要になります。
横濱おなか診療所では、大腸内視鏡検査の対象として
「40歳以上の方」
「便に血が混じる方」
「下痢・便秘が続く方」
「家族に大腸がんの方がいる方」
「大腸ポリープを切除したことがある方」などを挙げています。
横濱おなか診療所で大切にしていること
血便の診療で私が大切にしているのは、
「不安をあおりすぎず、しかし見逃してはいけない病気をきちんと考える」ことです。
血便が出たからといって、すぐに大腸がんと決まるわけではありません。
実際には痔や一時的な腸炎など、
比較的よくある病気が原因のことも多くあります。
しかし、血便は体からの分かりやすいサインでもあります。
特に、大腸がんや大腸ポリープは、早い段階で見つけることがその後の治療や生活に大きく関わります。
当院は、横浜市緑区・中山駅から徒歩圏内にある、胃腸内科・肛門外科・内科・外科の診療所です。
消化器内科領域の診療、肛門疾患の診療、内視鏡検査を組み合わせながら、
患者さんの症状に合わせて必要な検査を考えていきます。
公式サイトでも、当院では診断の助けとして超音波検査や内視鏡検査を備え、
必要に応じて近隣病院と連携してCTやMRI検査にもつなげているとご案内しています。
また、細い胃カメラや痛み止めの点滴を用いた大腸内視鏡など、苦痛の少ない検査を行うことを心がけています。
受診時に伝えていただきたいこと
血便で受診される際には、次のようなことをメモしておくと診察がスムーズです。
・いつから血便があるか
・血の色は鮮やかな赤、暗赤色、黒色のどれに近いか
・血の量は紙につく程度か、便器が赤くなるほどか
・便に混じるのか、表面につくのか
・腹痛、下痢、便秘、発熱があるか
・肛門の痛みがあるか
・体重減少や貧血を指摘されたことがあるか
・内服薬、特に血液をサラサラにする薬があるか
・過去の大腸カメラ歴、ポリープ切除歴
・家族に大腸がんの方がいるか
スマートフォンで便の状態を写真に残しておくことも、診断の参考になる場合があります。
もちろん、無理に撮影する必要はありませんが、言葉で説明しづらい場合には役立つことがあります。
まとめ:血便は「痔か大腸がんか」の二択ではありません
血便が出ると、つい「痔なのか、大腸がんなのか」と考えてしまいます。
しかし実際には、血便の原因は一つではありません。
痔、裂肛、大腸ポリープ、大腸がん、憩室出血、虚血性腸炎、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎など、
さまざまな病気が関係します。
大切なのは、血の色、量、続き方、腹痛や便通異常の有無、年齢、家族歴、便潜血検査の結果などを
総合的に見て判断することです。
一度だけの少量出血で、明らかに硬い便による切れ痔と思われる場合でも、
繰り返す場合は確認が必要です。
・40歳以上で初めて血便が出た方、
・便通の変化を伴う方、
・便潜血陽性を指摘された方は、
早めに消化器内科や肛門外科で相談していただくと安心です。
横浜・中山駅周辺で血便、便潜血陽性、痔の出血、大腸内視鏡検査についてお悩みの方は、
症状の程度に応じてご相談ください。
怖がりすぎる必要はありませんが、
「たぶん痔だろう」と決めつけすぎないことが、
将来の安心につながると思います。









