「左下腹部がチクチク痛む」 「…
公開日:2026年06月10日
更新日:2026年06月10日

目次
「腸活」という言葉が広く知られるようになり、ヨーグルトや発酵食品を意識している方も増えています。
そんな中で注目されているのがプレバイオティクスです。
プレバイオティクスとは、簡単にいうと腸内の善玉菌のエサになる成分のことです。
代表的なものとして、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)などがあります。
横浜市緑区・中山駅近くの横濱おなか診療所では、便秘や下痢、腹痛、お腹の張り、過敏性腸症候群(IBS)などの診療を行っています。
診察の中で感じるのは、「良い菌をとること」だけでなく、「今いる菌を育てること」も腸内環境を整えるうえで重要だということです。
今回は、プレバイオティクスの役割や取り入れ方についてわかりやすく解説します。
プレバイオティクスとは?
プレバイオティクスは、腸内細菌に利用されることで健康に良い影響をもたらす成分です。
腸内の善玉菌を増やしたり、働きを助けたりするため、「善玉菌のエサ」と表現されます。

よく似た言葉にプロバイオティクスがあります。
プロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌などの生きた微生物そのものを指します。
一方、プレバイオティクスは菌ではなく、それらの菌が活動するための栄養源です。
ヨーグルトや発酵食品で菌を補い、野菜や海藻、豆類などで菌を育てるという考え方が、腸活では大切になります。

食物繊維が腸に良い理由
プレバイオティクスの代表が食物繊維です。
食物繊維は人の消化酵素では分解されにくく、そのまま大腸まで届きます。
そこで腸内細菌に利用され、腸内環境を整える働きをします。
食物繊維には大きく分けて2種類あります。
水溶性食物繊維
水に溶けやすく、腸内細菌によって発酵されやすい特徴があります。
発酵によって作られる短鎖脂肪酸は、腸の粘膜細胞のエネルギー源となり、腸の健康維持に役立つと考えられています。
不溶性食物繊維
便のかさを増やし、腸の動きを促す働きがあります。
便秘改善に役立つことがありますが、摂りすぎるとお腹の張りやガスが増える場合もあります。

そのため、食物繊維は多ければ良いというわけではありません。
現在の体調や症状に合わせて、少しずつ増やしていくことが大切です。
オリゴ糖も善玉菌のエサになる
オリゴ糖も代表的なプレバイオティクスです。
オリゴ糖は小腸で消化されにくく、大腸まで届いてビフィズス菌などの善玉菌に利用されます。
その結果、腸内環境を整える助けになると考えられています。

オリゴ糖を含む食品には次のようなものがあります。
・玉ねぎ
・ごぼう
・ねぎ
・にんにく
・大豆
・アスパラガス
・バナナ
市販のオリゴ糖製品を利用する方法もありますが、急に多く摂るとガスや腹部膨満感、下痢の原因になることがあります。
特にIBSの方は症状が悪化する場合もあるため、少量から試すことをおすすめします。
プレバイオティクスを含む食品
日常生活で取り入れやすいプレバイオティクス食品には次のようなものがあります。
・ごぼう、玉ねぎ、オクラ、ブロッコリーなどの野菜
・わかめ、昆布、もずくなどの海藻類
・しいたけ、しめじなどのきのこ類
・大豆、納豆などの豆類
・玄米、もち麦、オートミールなどの穀類
また、冷ましたご飯やじゃがいもにはレジスタントスターチが増えることがあり、腸内細菌のエサとして注目されています。
ただし、これらの食品がすべての人に合うわけではありません。
お腹が張りやすい方では、豆類や玉ねぎ、海藻などで症状が強くなることもあります。
大切なのは「腸に良い食品を増やすこと」ではなく、「自分のお腹に合う食品や量を見つけること」です。
便秘・下痢・お腹の張りとの関係
便秘の方では、食物繊維や水分不足が関係していることがあります。
また、食事量が少ない場合や極端な糖質制限をしている場合には、便の材料が不足して便秘が悪化することもあります。
一方で、下痢やお腹の張りがある方では、食物繊維やオリゴ糖を増やすことで症状が悪化する場合があります。
特にIBSでは腸が刺激に敏感になっているため、「体に良い食品」が必ずしも合うとは限りません。

最近ではFODMAPと呼ばれる発酵しやすい糖質に注目した食事療法も知られていますが、自己判断で過度な制限を行うと栄養バランスが崩れることがあります。
症状がある場合は、食事内容と症状の関係を確認しながら調整することが重要です。
受診を考えた方がよい症状
食事や生活習慣を見直しても症状が続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。
特に次のような症状がある場合は注意が必要です。
・血便がある
・便が急に細くなった
・体重減少がある
・夜間に下痢で目が覚める
・発熱を伴う
・貧血を指摘された
・便潜血検査が陽性だった
・家族に大腸がんの方がいる
こうした症状の背景には、大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患などが隠れていることがあります。
横濱おなか診療所では、必要に応じて血液検査や腹部超音波検査、胃カメラ、大腸カメラなどを行い、原因を調べています。
横濱おなか診療所で大切にしていること
お腹の症状は、検査で大きな異常が見つからないこともあります。しかし、症状そのものが生活の質を大きく低下させることがあります。
当院では、症状だけでなく、食事内容や生活習慣、ストレス、睡眠、服薬状況なども含めて総合的に評価し、一人ひとりに合った治療を考えています。
内視鏡検査が必要な場合もありますが、まずは丁寧にお話を伺い、必要な検査や治療を一緒に整理していきます。
まとめ
プレバイオティクスとは、食物繊維やオリゴ糖などの善玉菌を育てる成分です。
腸活では、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを摂るだけでなく、腸内細菌が働きやすい環境を整えることも重要です。
ただし、食物繊維やオリゴ糖は人によって合う・合わないがあります。
便秘には役立つことがある一方で、下痢やお腹の張りが強い方では注意が必要です。
「腸に良いものをたくさん摂る」のではなく、「自分のお腹に合う方法を見つける」ことが大切です。
便秘や下痢、腹痛、お腹の張りなどでお悩みの方は、消化器内科へ相談してみましょう。
Q&A|プレバイオティクスについてよくある質問
Q1. プレバイオティクスとプロバイオティクスの違いは?
プロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌などの生きた菌です。
プレバイオティクスは、それらの菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖などを指します。
Q2. 食物繊維は便秘に必ず効果がありますか?
不足している場合には役立つことがありますが、便秘の原因はさまざまです。
摂りすぎるとお腹の張りが強くなることもあります。
Q3. オリゴ糖は毎日摂った方がよいですか?
体に合う場合は継続することで腸内環境改善に役立つ可能性があります。
ただし、ガスや下痢が出る場合は量を調整しましょう。
Q4. IBSでもプレバイオティクスを摂ってよいですか?
摂取できる場合もありますが、症状が悪化することがあります。
少量から試し、症状を見ながら調整することが大切です。
Q5. 腸活を始めるなら何から始めればよいですか?
まずは便の状態を観察し、野菜や海藻、きのこ、豆類などを無理のない範囲で取り入れてみましょう。
十分な水分、睡眠、運動も重要です。









