「自由診療に興味はあるけれど、…
公開日:2026年08月16日
更新日:2026年08月16日

目次
「できればいつまでも自分の足で歩きたい」
「家族の世話にならず、自分のことは自分でしたい」
「長生きするなら、元気に長生きしたい」
患者さんとお話ししていると、このような言葉をよく耳にします。
横濱おなか診療所では、そんな思いを表す言葉として、「ピンピンコロリを日常生活に」という考え方を大切にしています。
少しユーモラスに聞こえる言葉ですが、私が大切にしているのは「どのように最期を迎えるか」ではありません。
ピンピンコロリとは、最期をどう迎えるかではなく、それまでをどう元気に暮らすかを考える言葉だと思っています。
長生きすることだけを目標にするのではなく、買い物に行く、旅行をする、家族や友人と食事をする、自分の足で歩く。
そんな「自分らしく動ける時間」をできるだけ長くすることが、当院の考える健康づくりです。
ピンピンコロリとは「最期」より「それまで」を考える言葉
「ピンピンコロリ」は一般に、年齢を重ねても元気に生活し、介護を必要とする期間をできるだけ短くしたい、という願いを表す言葉として使われています。
そしてそのような生活の実現には「自分の足で歩く」「自分の口から食べる」「外に出て人と交わる」という生活機能が、元気に暮らし続けるための重要な要素と考えられています。
もちろん、病気や老化を完全に防いだり、「必ずピンピンコロリになる方法」があったりするわけではありません。
大切なのは、結果を保証することではなく、元気に暮らせる可能性を少しでも高めるため、今日の生活を整えていくことだと私は考えています。

「長生き」と「元気に長生き」は少し違います
ここで知っていただきたいのが「健康寿命」という考え方です。
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が大きく制限されることなく暮らせる期間を意味します。
厚生労働省によると、2022年の日本では平均寿命が男性81.05歳、女性87.09歳なのに対し、健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳でした。
平均寿命との差は男性約8.5年、女性約11.6年です。
もちろん、この差がそのまま「寝たきりの期間」を意味するわけではありません。
ただ、人生の長さだけでなく、その中で自分らしく生活できる期間をどう延ばすかという視点が大切であることは分かります。
たとえば90歳まで生きることだけを目標にするのではなく、
「80歳になっても近所へ買い物に行ける」
「好きなものを自分の口で食べられる」
「孫と出かけられる」
「趣味や旅行を続けられる」
そんな時間を少しでも長くする。
横濱おなか診療所が大切にしたいのはこちらです。

元気でいるために大切な「歩く・食べる・つながる」
年齢とともに体力や筋力、食欲などが低下し、健康な状態と要介護状態の中間に近づいていく状態を「フレイル」と呼びます。
フレイル対策では、特別な健康法を一つ行うのではなく、栄養・身体活動・社会参加を組み合わせることが重要とされています。
難しく考えず、「歩く・食べる・つながる」と覚えていただくとよいでしょう。
1.歩く・体を動かす
筋肉は、何歳になっても日常生活を支える大切な財産です。
「最近歩くのが遅くなった」「階段を避けるようになった」「外出する回数が減った」という変化は、単なる年齢のせいだけではなく、活動量が落ちてきたサインかもしれません。
いきなり激しい運動を始める必要はありません。
散歩を少し長くする、買い物へ歩いて行く、テレビを見ながら立ったり座ったりするなど、毎日の生活の中に少しずつ体を動かす機会を入れることが第一歩です。
2.しっかり食べる
高齢になると「太らないように食べすぎないこと」ばかりを気にする方がいます。
しかし年齢を重ねるほど、逆に食事量が減り、エネルギーやたんぱく質が不足する「低栄養」にも注意が必要です。
低栄養は筋肉量や体力の低下につながる可能性があります。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などのたんぱく質を意識しながら、主食・主菜・副菜を無理のない範囲で組み合わせていきましょう。
一方、糖尿病や腎臓病などの持病がある方では、適切な食事内容が異なります。
極端な食事法を自己判断で始めず、必要に応じて医師や管理栄養士に相談してください。
3.人や社会とつながる
意外に見落とされやすいのが「人とのつながり」です。
友人と食事をする、趣味の集まりに参加する、買い物へ行く、地域活動に参加する。
こうした予定があるだけでも、着替える、歩く、話す、考えるといった多くの活動が自然に生まれます。
厚生労働省も、介護予防では運動や栄養だけではなく社会参加を重要な柱として位置づけています。
「今日、行くところがある」
「今日、用がある」
毎日に小さな予定や役割があることも、健康を支える大切な要素なのかもしれません。

病気を治すことと、弱っていくことを防ぐこと
医療というと、
「病気になったら病院へ行く」
というイメージが一般的だと思います。
もちろん、それは非常に大切です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などを適切に管理する。
がんなどの病気を早期に発見する。
腹痛、便通異常、出血などがあれば必要な検査を受ける。
こうした病気を見つけ、適切に治療することが健康づくりの土台です。
しかし私たちは、その一歩手前にも目を向けたいと考えています。
「以前より疲れやすくなった」
「食欲が落ちた」
「外へ出なくなった」
「体重が減ってきた」
「筋力が落ちた気がする」
病名がつくほどではなくても、こうした小さな変化が積み重なることがあります。
だからこそ、“病気になってから治す”だけでなく、“弱っていく前に支える”という視点も大切なのです。

横濱おなか診療所が「保険診療+予防」の視点を大切にする理由
横濱おなか診療所では、基本となるのはあくまで保険診療です。
胃腸の病気や生活習慣病など、治療が必要な病気がないかを確認し、必要な場合には適切な検査や治療を行うことを優先しています。
実際に当院の自由診療についても、まず保険診療で確認すべき病気を見落とさないことを大切にしています。
そのうえで、「病気ではないけれど、もう少し健康について考えたい」「将来のために今の生活を見直したい」という方には、必要に応じて予防医療や自由診療という選択肢も一緒に考えています。
自由診療を受ければ健康寿命が延びる、と保証できるものではありません。
保険診療と自由診療を対立するものとは考えず、標準的な医療を土台にしながら、一人ひとりの健康づくりをどこまで支えられるか。
それが当院の基本的な姿勢です。
横濱おなか診療所では現在、体調管理や予防医療の一環として、栄養状態や生活習慣を振り返るための取り組みなども行っていますが、目的は検査や治療を増やすことではありません。
患者さん自身が「今の自分の体を知り、これから何を変えればよいか」を考えるきっかけにしていただくことを大切にしています。
自由診療について詳しくはこちら
自由診療に不安を感じている方へ
「ピンピンコロリを日常生活に」――今日から一つ始めてみませんか
健康のために何かを始めようと思うと、
「毎日1万歩歩かなければ」
「食事を完璧にしなければ」
「サプリメントを飲まなければ」
と、つい大きな目標を立ててしまいます。
でも、すべてを一度に変える必要はありません。
まず一つだけ選ぶなら、
・今日は10分余計に歩いてみる
・朝食に卵やヨーグルトを一品足してみる
・久しぶりの友人に連絡してみる
・健康診断をしばらく受けていなければ予定を確認する
・気になっている症状を「年齢のせい」と決めつけず相談してみる
そのくらいからで十分です。
ピンピンコロリは、特別な健康法の名前ではありません。
今日歩くこと。今日食べること。今日誰かと話すこと。そして病気があればきちんと治療すること。
そんな毎日の小さな積み重ねの先に、「自分らしく元気に暮らせる時間」があるのではないでしょうか。
自由診療・抗加齢の記事一覧

まとめ|人生の長さだけでなく、元気に暮らせる時間を大切に
私たちは、単に「何歳まで生きるか」だけが健康の目標ではないと考えています。
自分の足で歩く。
自分の口で食べる。
好きな場所へ出かける。
人と会って笑う。
自分でできることを、できるだけ長く続ける。
その時間を少しでも長くしていくこと。
それが、横濱おなか診療所の考える「ピンピンコロリを日常生活に」です。
病気を診断して治療する医療を大切にしながら、その一歩手前の「これからも元気でいるために何ができるか」についても、一緒に考えられる診療所でありたいと思っています。
横濱おなか診療所のブログ一覧
Q&A
Q1.ピンピンコロリを実現する方法はありますか?
「これをすれば必ず実現できる」という方法はありません。
病気や加齢には自分では変えられない要因もあります。
一方、運動、栄養、社会参加、生活習慣病の管理、健診など、健康寿命を支えるために日常生活で取り組めることはあります。
完璧を目指すより、続けられる習慣を一つずつ増やしていくことが大切です。
Q2.何歳から健康寿命を意識すればよいですか?
何歳からでも構いませんが、元気なうちから意識することをおすすめします。
「歩くのが遅くなった」「外出が減った」「食事量が減った」といった小さな変化が出てからでも、生活を見直す意味はあります。
年齢だけを理由に「もう遅い」と考える必要はありません。
Q3.運動だけしていればフレイルは防げますか?
運動だけではなく、栄養と社会参加も一緒に考えることが大切です。
フレイル予防では「栄養・身体活動・社会参加」の三つが重要な柱とされています。
歩くことに加え、しっかり食べ、人と会ったり外へ出たりする機会も意識してみてください。
Q4.自由診療を受けると健康寿命を延ばせますか?
自由診療によって健康寿命が延びると一律に言うことはできません。
横濱おなか診療所では、まず保険診療で確認すべき病気や標準的な治療を大切にし、そのうえで必要性や目的に応じて自由診療について相談する方針です。
自由診療についても、期待できることだけでなく限界や費用を確認して選ぶことが大切です。
Q5.最近、体力が落ちた気がします。年齢のせいでしょうか?
年齢による変化はありますが、「年齢のせい」だけで片づけない方がよい場合もあります。
筋力低下だけでなく、貧血、栄養不足、生活習慣病、薬の影響などが背景にあることもあります。
体重減少や食欲低下、息切れなどを伴う場合や、以前と比べて明らかに生活が変わってきた場合は、一度かかりつけ医へ相談してみてください。
「病気というほどではないけれど、最近少し体力が落ちた」「これからの健康について一度考えてみたい」という段階でも、健康を見直すきっかけになります。
横濱おなか診療所では、横浜市緑区・中山駅周辺の地域のかかりつけ医として、胃腸の症状や生活習慣病などの保険診療を土台にしながら、必要に応じて予防医療や自由診療についても一緒に考えています。
「何をすればよいか分からない」という段階でも構いません。今の体調や生活を確認しながら、まずできることから考えていきましょう。
横濱おなか診療所
https://yokohama-onaka.com
執筆に使用した主要な情報源
- 厚生労働省「平均寿命と健康寿命」:健康寿命の定義、平均寿命との差。
- 厚生労働省「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?」:フレイルと栄養・身体活動・社会参加。
- 厚生労働省「通いの場」:運動・栄養・社会参加と介護予防。
- 日本老年医学会「第二次健康長寿達成を支える老年医学推進5か年計画」:フレイル予防・対策と健康長寿。
- 横濱おなか診療所「自由診療」「よくあるご質問」「自由診療に不安を感じていらっしゃいませんか?」:当院における保険診療と自由診療の位置づけ。









