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当院は伴走しながら肥満治療を進めます~マンジャロ®の無許可販売報道を受けて、安全な肥満治療・糖尿病治療のためにお伝えしたいこと

公開日:2026年06月10日
更新日:2026年06月10日

こんにちは。横浜市緑区・中山駅近くで診療をしております
横濱おなか診療所、院長の平井です。

最近、糖尿病治療薬であるマンジャロ®が、医療機関の管理を離れた形で無許可販売されていたという報道がありました。
肥満治療やメディカルダイエットに関心を持つ方が増える一方で、SNSやインターネット上では「簡単に痩せる薬」「診察なしで手に入る薬」といった印象で情報が広がることもあります。

私は、こうした流れに対して強い不安を感じています。

マンジャロ®は、適切な方に、適切な診察と説明、そして定期的な確認を行いながら使用すれば、体重管理や血糖管理に役立つ可能性のある薬です。
一方で、決して「誰でも気軽に使ってよい薬」ではありません
吐き気、下痢、便秘、腹痛などの消化器症状が出ることもありますし、まれではありますが低血糖や急性膵炎など、注意すべき副作用もあります。

横濱おなか診療所では、消化器内科、肛門外科、内科、内視鏡検査を行う地域の診療所として、肥満治療についても「薬を出して終わり」ではなく、患者さんと一緒に生活習慣や体調の変化を確認しながら、伴走する医療を大切にしたいと考えています。

マンジャロ®とはどのような薬か

マンジャロ®は、一般名をチルゼパチドといい、GIP受容体とGLP-1受容体に作用する注射薬です。
日本では、2型糖尿病の治療薬として承認されています。血糖値に応じたインスリン分泌を助け、胃の動きをゆるやかにし、食欲や満腹感にも影響するため、体重が減少することがあります。

そのため、糖尿病治療の領域だけでなく、肥満治療や体重管理の分野でも注目されています。

ただし、ここで大切なのは、「体重が減ることがある薬」だからといって、誰にでも安全に使えるわけではないということです。
薬には必ず効果とリスクがあります。
体格、血糖値、肝機能、腎機能、膵臓や胆のうの状態、現在服用している薬、過去の病歴などを確認したうえで、使用の可否を判断する必要があります。

特に、糖尿病治療薬として使用される薬を、美容目的や短期間の痩身目的だけで安易に使用することには注意が必要です。
薬の効果だけに目が向きすぎると、副作用や治療後のリバウンド、栄養不足、筋肉量低下といった問題を見落としてしまうことがあります。

「痩せる薬」ではなく、医師の管理が必要な治療薬です

マンジャロ®に限らず、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬は、医師の診察と説明のもとで使用すべき医療用医薬品です。

最近は、オンライン上で薬だけを購入するような感覚で治療を始められる広告も目にします。
もちろん、オンライン診療そのものが悪いわけではありません。
通院が難しい方にとって、オンライン診療は大切な医療の選択肢です。

しかし、肥満治療や糖尿病治療では、体重だけを見て薬を開始するのではなく、血糖値、肝機能、腎機能、脂質、尿酸値、血圧、腹部症状、便通、生活習慣などを総合的に見ることが重要です。
とくに消化器内科の立場からは、吐き気や腹痛、便秘、下痢などの症状が薬の副作用なのか、もともとの胃腸の病気が関係しているのかを丁寧に確認する必要があります。

当院は胃腸内科・肛門外科として、腹痛、下痢、便秘、過敏性腸症候群、痔の症状、大腸ポリープ、胃炎、逆流性食道炎など、おなかとお尻の症状を日々診療しています。
また、胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査にも対応しています。
肥満治療中におなかの症状が出た場合にも、必要に応じて消化器内科の視点から確認できることは、当院の大切な役割の一つだと考えています。

無許可販売や自己判断での使用が危険な理由

今回の報道で問題となったように、医療機関の管理を離れた無許可販売や個人間取引で薬を入手することは、とても危険です。

第一に、その薬が本物かどうか、適切に保管されていたかどうかが分かりません。
マンジャロ®のような注射薬は、温度管理を含めた保管方法が重要です。
適切に管理されていない薬では、効果や安全性が担保できません。

第二に、使用してよい状態かどうかの医学的判断がありません。
過去に膵炎を起こしたことがある方、
強い胃腸症状がある方、
重い肝機能・腎機能の異常がある方、
糖尿病治療薬をすでに使用している方などでは、特に慎重な判断が必要です。

第三に、副作用が出たときの対応が遅れる可能性があります。
吐き気や便秘程度と思って様子を見ていたら、脱水や栄養不足につながることもあります。
持続する強い腹痛、嘔吐、発熱、背中に響く痛みなどがある場合には、急性膵炎などを含めて早めの評価が必要になります。

薬は「入手できること」よりも、「安全に使えること」の方が大切です。

肥満治療は、体重を落とすだけの治療ではありません

肥満治療というと、「何kg痩せるか」に注目が集まりがちです。
しかし、医療としての肥満治療で大切なのは、単に体重を落とすことではありません。

血糖値、血圧、脂質、脂肪肝、睡眠時無呼吸、膝や腰への負担、将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスクなど、体重と関係する健康問題を少しでも減らし、長く元気に生活できる体づくりを目指すことが本来の目的です。

短期間で体重が落ちても、筋肉量が大きく減ってしまったり、食事内容が極端に偏ったり、薬をやめた後にリバウンドしてしまったりすれば、長期的な健康にはつながりにくくなります。

だからこそ、当院では「薬で食欲を抑える」だけではなく、食事、運動、睡眠、便通、ストレス、飲酒、間食、外食の頻度などを一緒に振り返ることを大切にしています。

私は、肥満治療は患者さんを責める医療ではないと考えています。
体重が増える背景には、仕事の忙しさ、睡眠不足、ストレス、年齢による代謝の変化、ホルモン、腸内環境、持病、薬の影響など、さまざまな要因があります。
「意志が弱いから太った」と単純に考えるのではなく、その方の生活の中で、どこなら無理なく変えられるかを一緒に探していくことが大切です。

当院の肥満治療で大切にしていること

横濱おなか診療所では、薬を処方するだけでなく、安全に治療を続けられることを大切にしています。

まず、治療前に体重やBMI、血液検査、既往歴、服薬状況などを確認し、マンジャロ®が適しているかを判断します。
治療中は、体重の変化だけでなく、吐き気や腹痛、便秘・下痢などの副作用や、血液検査の結果を定期的に確認します。

また、薬に頼るだけでなく、食事や運動などの生活習慣も一緒に見直します。
治療後のリバウンドを防ぐためにも、無理なく続けられる習慣づくりをサポートしています。

当院では、「安全に始めること」「無理なく続けること」「治療後も維持すること」を重視して肥満治療を行っています。

消化器内科として注意している副作用

マンジャロ®では、吐き気、胃もたれ、食欲低下、下痢、便秘、腹痛などの副作用がみられることがあります。
軽い症状は食事内容や水分摂取の工夫で改善することもありますが、症状が強い場合や長引く場合は、薬の継続について医師と相談が必要です。

また、強い腹痛、繰り返す嘔吐、発熱、冷や汗、強いだるさなどがある場合は注意が必要です。
糖尿病治療薬を併用している方は低血糖にも気をつけましょう。

肥満治療中におなかの症状が気になる方や、便秘・下痢が続く方は、自己判断で薬を調整せず医師にご相談ください。

糖尿病治療としてのマンジャロ®と、自由診療としての肥満治療

マンジャロ®は、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。
糖尿病の診断があり、保険診療上の適応を満たす場合には、糖尿病治療として使用されることがあります。

一方で、糖尿病ではない方の体重管理や肥満治療として使用する場合は、保険診療ではなく自由診療になります。
自由診療では、費用負担だけでなく、適応外使用に関するリスク、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性などについても、事前に理解していただく必要があります。

当院では、自由診療であること、期待できる効果、起こりうる副作用、検査の必要性、治療中止後のリバウンドの可能性などを説明し、ご納得いただいたうえで治療を進めることを大切にしています。

「安いから」「すぐに届くから」「診察なしで使えるから」という理由で薬を選ぶのではなく、自分の体にとって本当に必要か、安全に続けられるかを考えていただきたいと思います。

受診の目安

次のような方は、医師に相談しながら肥満治療や糖尿病治療を考えることをおすすめします。

健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた方、体重増加とともに血圧や脂質、尿酸値、肝機能が悪化してきた方、脂肪肝を指摘された方、膝や腰の負担が強くなってきた方、睡眠時無呼吸が心配な方、これまで自己流のダイエットでリバウンドを繰り返している方などです。

また、すでにマンジャロ®などのGLP-1関連薬を使用していて、吐き気、便秘、下痢、腹痛などの症状が気になる方もご相談ください。

横濱おなか診療所は、横浜市緑区・中山駅近くの消化器内科・肛門外科・内科として、胃腸症状、生活習慣病、肥満治療、内視鏡検査を含めて、地域の方の健康を幅広く支える診療を心がけています。

まとめ

マンジャロ®は、適切に使えば体重管理や糖尿病治療に役立つ可能性のある薬です。
しかし、医師の診察や説明を受けずに使用したり、無許可販売や個人間取引で入手したりすることは、健康被害につながるおそれがあります。

肥満治療は、単に体重を減らすことだけが目的ではありません。
将来の糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、心血管疾患などのリスクを減らし、日々の生活を少しでも元気に過ごすための治療です。

当院では、薬だけに頼らず、検査、生活習慣の見直し、体調確認、リバウンド予防まで含めて、患者さんと一緒に伴走する肥満治療を大切にしています。

「マンジャロ®に興味はあるけれど不安がある」
「自分が対象になるのか知りたい」
「体重だけでなく、血糖値や脂肪肝も気になっている」
「薬を使う前に、まず安全性について相談したい」

そのような方は、どうぞ一人で判断せずにご相談ください。
横浜・中山駅周辺のかかりつけ医として、消化器内科・肛門外科・内科の視点から、無理のない治療方針を一緒に考えていきたいと思います。

横濱おなか診療所
院長 平井 和弥

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