「お腹が痛くなりやすい」「緊張…
公開日:2026年06月07日
更新日:2026年06月03日

目次
近年、「腸活」という言葉を耳にする機会が増えました。
便秘や下痢、お腹の張りだけでなく、免疫機能や生活習慣病との関係など、腸内環境への関心が高まっています。
当院でも、「便秘が続く」「下痢を繰り返す」「お腹が張る」といったご相談を多くいただきます。
今回は、腸の働きと腸の健康を支える栄養素について、わかりやすくご紹介します。
腸は消化・吸収だけではない
腸の主な役割は、食べ物を消化し栄養を吸収することです。
しかし、それだけではありません。
腸は不要なものを便として排泄する働きを持ち、さらに腸内細菌や免疫細胞と協力しながら体の健康を支えています。
腸は体内と外界を隔てる重要なバリアでもあり、有害な物質の侵入を防ぎながら必要な栄養を取り込んでいます。
また、近年は「脳腸相関」という考え方も注目されています。
脳と腸は密接につながっており、ストレスや緊張によって腹痛や下痢が起こることがあります。
反対に、お腹の不調が気分や生活の質に影響することもあります。

腸内環境が乱れると起こる症状
腸内環境が乱れると、便秘や下痢、お腹の張り、ガスの増加、腹痛などが起こりやすくなります。
便秘では便が硬くなる、残便感がある、排便時に強くいきむ必要があるなどの症状がみられます。
下痢では水様便が続いたり、食後すぐにトイレへ行きたくなったりすることがあります。

また、便秘と下痢を繰り返す場合には、過敏性腸症候群(IBS)が関係していることがあります。
IBSは検査で大きな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や便通異常を繰り返す病気です。
ただし、すべての症状を腸内環境の問題だけで説明することはできません。
血便、体重減少、発熱、強い腹痛、急な便通変化などがある場合には、大腸がんや炎症性腸疾患などの病気が隠れていることもあります。
症状が続く場合は、消化器内科への相談をおすすめします。
腸内環境を乱す原因
腸内環境は日々の生活習慣の影響を受けます。
野菜や海藻、きのこ類が不足した食事、脂質に偏った食生活、運動不足、睡眠不足、ストレス、過度の飲酒などは腸の働きを低下させる原因になります。
また、加齢による腸の動きの低下や、水分摂取不足も便秘につながります。
腸内環境を整えるためには、特定の食品だけに頼るのではなく、食事・運動・睡眠・ストレス管理を総合的に見直すことが大切です。
腸に大切な栄養素① 食物繊維
腸の健康を考えるうえで欠かせないのが食物繊維です。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維は野菜や豆類、穀類に多く含まれ、便のかさを増やして腸の動きを促します。
一方、水溶性食物繊維は海藻類、果物、こんにゃくなどに含まれ、水分を保持して便をやわらかくする働きがあります。
また、腸内細菌のエサとなり、腸内環境の改善にも役立ちます。
ただし、急に大量に摂取するとお腹の張りやガスが増えることがあるため、少しずつ増やすことが大切です。

腸に大切な栄養素② プロバイオティクスとプレバイオティクス
腸活でよく耳にするのが、プロバイオティクスとプレバイオティクスです。
プロバイオティクスとは、乳酸菌やビフィズス菌など体によい働きをする微生物のことです。
ヨーグルトや発酵食品などから摂取できます。
プレバイオティクスとは、それらの有用菌のエサになる成分で、オリゴ糖や食物繊維が代表的です。
腸内環境を整えるためには、「よい菌を取り入れること」と「その菌が育ちやすい環境を作ること」の両方が重要です。

腸に大切な栄養素③ たんぱく質・ビタミン・ミネラル
腸の粘膜は常に新しく作り替えられています。そのため、たんぱく質は腸の健康維持に欠かせません。
肉、魚、卵、大豆製品などから十分なたんぱく質を摂ることが大切です。
また、亜鉛やビタミンA、葉酸、カルシウム、マグネシウムなども粘膜や免疫機能の維持に関わっています。
魚に含まれるEPAやDHAなどの脂質も健康維持に役立つ栄養素です。
サプリメントを利用する場合は、過剰摂取にならないよう注意しましょう。
腸内環境を整える食事のポイント
腸のための食事は特別なものではありません。
主食・主菜・副菜をそろえ、野菜、海藻、きのこ、豆類、果物をバランスよく取り入れることが基本です。
さらに、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を適度に取り入れ、水分を十分に摂ることも大切です。
例えば、白米にもち麦を加える、味噌汁にわかめやきのこを入れる、納豆や豆腐を一品追加するなど、小さな工夫でも十分効果が期待できます。
大切なのは、無理なく継続できる食習慣を作ることです。

受診を考えた方がよい症状
次のような症状がある場合は、医療機関への受診をおすすめします。
・血便や黒い便が出る
・急に便秘や下痢が始まった
・原因不明の体重減少がある
・強い腹痛や発熱を伴う
・貧血を指摘された
・夜間にも下痢で目が覚める
・便が細くなった
このような場合には、大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患などの病気が隠れている可能性があります。
必要に応じて血液検査や便検査、腹部エコー、大腸カメラなどを行います。
横濱おなか診療所で大切にしていること
当院では、便秘、下痢、腹痛、お腹の張り、過敏性腸症候群、血便など幅広いお腹の症状に対応しています。
症状だけでなく、食事内容や生活習慣、服用中のお薬なども含めて総合的に評価し、必要に応じて内視鏡検査を行っています。
検査で大きな異常がない場合でも、食事や生活習慣の改善を含めて患者さんと一緒に治療方針を考えていくことを大切にしています。
まとめ
腸は消化・吸収だけでなく、排泄や免疫機能にも深く関わる重要な臓器です。
腸内環境を整えるためには、食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌・ビフィズス菌などを取り入れるだけでなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルを含めたバランスのよい食事が大切です。
また、十分な睡眠や適度な運動、ストレス管理も欠かせません。
一方で、便秘や下痢、腹痛が長く続く場合や血便、体重減少などを伴う場合には、別の病気が隠れていることもあります。
腸活を続けても改善しない症状がある場合は、早めに消化器内科へご相談ください。
Q&A|腸の働きと栄養素について
Q1. ヨーグルトを毎日食べれば腸内環境は整いますか?
ヨーグルトは腸活に役立ちますが、それだけで十分ではありません。食物繊維、水分、運動、睡眠なども重要です。
Q2. 食物繊維は多く摂るほどよいですか?
摂取は大切ですが、急に増やすとお腹が張ることがあります。少しずつ増やしましょう。
Q3. 便秘と下痢を繰り返すのは腸内環境の問題ですか?
過敏性腸症候群などが関係することがありますが、他の病気が隠れている場合もあります。
Q4. サプリメントで腸活をしてもよいですか?
補助的に利用することは可能ですが、基本は食事です。 継続する場合は医師に相談しましょう。
Q5. 大腸カメラはどのようなときに必要ですか?
血便、体重減少、便通異常が続く場合などには、大腸カメラによる検査を検討します。









