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体内の有害金属を排泄し細胞の老化を防止する~キレーション療法について

公開日:2026年06月17日
更新日:2026年06月17日

こんにちは、横濱おなか診療所の院長です。
今回は、自由診療の中でも少し専門的な治療であるキレーション療法についてお話しします。

キレーション療法とは、体内に蓄積した鉛・水銀・カドミウム・アルミニウムなどの有害金属に注目し、専用の薬剤を用いて体外への排泄を促す治療です。

当院は横浜市緑区、中山駅近くで、消化器内科・肛門外科・内科診療を行っています。
内視鏡検査を通じて胃腸の病気を診るだけでなく、慢性的な疲労感、栄養バランス、生活習慣病、老化予防にも関心を持って診療しています。

その中で近年注目されているのが、有害金属・ミネラルバランス・細胞老化の関係です。

キレーション療法とは

キレーションとは、キレート剤と呼ばれる薬剤が、体内の金属イオンをはさみ込むように結合し、尿などを通じて体外へ排泄されやすくする仕組みです。
医療の現場では、鉛中毒などの明らかな重金属中毒に対して、キレート剤が使われてきました。
近年では動脈硬化の予防や細胞の老化防止など様々な分野でその有用性が期待され、注目を集めています。
一方で明らかな中毒ではないものの、日常生活の中で少しずつ体に入る有害金属の蓄積にが診断の困難な慢性疲労や神経障害、うつなどの精神症状を引き起こしていることがあります。
これらの病態に注目し、体調管理や予防医療の一つとしてキレーション療法が行われることがあります。

有害金属はどこから体に入るのか

有害金属は、私たちの生活環境の中に少量ずつ存在しています。
魚介類、排気ガス、喫煙、工業製品、土壌、飲料水、歯科金属、加工食品など、入り口は一つではありません。
通常の生活をしているだけで直ちに病気になるという意味ではありませんが、体質、生活環境、食生活、排泄能力、腎機能、肝機能、ミネラルバランスなどによって、体内への蓄積のしやすさには個人差があります。
特に、水銀、鉛、カドミウム、ヒ素、アルミニウムなどは、過剰に蓄積すると神経、血管、腎臓、肝臓、免疫、ホルモンバランスなどに影響する可能性が指摘されています。
中でも水銀は、魚介類や歯科金属などをきっかけに関心を持たれることが多い有害金属です。
水銀は体内からの排出が難しいと考えられており、体内環境を見直す際には、蓄積傾向を確認しながら慎重に対応を考える必要があります。

有害金属と細胞の老化

老化というと、しわや白髪、体力低下を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし医学的には、老化は細胞レベルで起こる変化の積み重ねです。
その一つに、酸化ストレスがあります。
酸化ストレスとは、体の中で発生する活性酸素が過剰になり、細胞や血管、脂質、たんぱく質、DNAなどに負担をかける状態です。
有害金属の一部は、この酸化ストレスを増やす要因になることがあります。
また、体に必要なミネラルの働きを妨げたり、酵素の働きに影響したりすることで、エネルギー産生や解毒機能に負担をかける可能性もあります。
そのため、キレーション療法は単なる「デトックス」という言葉だけでなく、細胞の老化を防ぐための体内環境づくりという視点で考えることが大切です。

疲れや老化は「見える化」しにくい問題です

日々の診療の中で、
「なんとなく疲れが取れない」
「年齢のせいなのか、以前より回復しにくい」
「検査では大きな異常がないのに調子が悪い」という相談を受けることがあります。

こうした疲労感や老化感は、血圧や血糖値のように一つの数値だけで判断することが難しい問題です。
もちろん、まずは貧血、甲状腺機能、肝機能、腎機能、糖尿病、睡眠、ストレス、消化器疾患など、一般的な原因を確認することが大切です。
そのうえで、通常の検査だけでは説明しにくい不調に対して、有害金属やミネラルバランスを確認することが、問題解決のきっかけになる可能性があります。

当院では、その評価方法の一つとしてOligoScan(オリゴスキャン)を活用しています。

OligoScanとは

OligoScanは、手のひらに専用機器を当てて、体内のミネラルバランスや有害金属の蓄積傾向を評価する検査です。
採血を必要とせず、比較的短時間で測定できることが特徴です。

評価できる項目には、マグネシウム、亜鉛、セレン、鉄、銅などのミネラルや、アルミニウム、水銀、鉛、カドミウムなどの有害金属が含まれます。
OligoScanは、病気を確定診断するための検査ではありません。

当院では、体内環境を見える化し、栄養療法やキレーション療法の方針を考えるための補助的な検査として位置づけています。
疲労感、老化感、肌や髪の変化、冷え、うつや集中力の低下などは、患者さんご自身も説明しづらく、医療者側も数値化しにくいことがあります。

そのようなときに、ミネラルの過不足や有害金属の蓄積傾向を確認することで、生活習慣、食事、サプリメント、点滴療法、キレーション療法を考える手がかりになる場合があります。

OligoScanが治療方針の参考になる理由

キレーション療法を行う際には、ただ有害金属を排泄すればよいというわけではありません。
体に必要なミネラルが不足している状態で無理に排泄を促すと、体調に負担がかかる可能性があります。
たとえば、亜鉛、マグネシウム、セレンなどは、抗酸化、免疫、エネルギー産生、ホルモンバランスなどに関わる重要なミネラルです。
これらが不足している場合には、キレーションだけでなく、栄養補給や食事改善も一緒に考える必要があります。

一方で、有害金属の蓄積傾向が目立つ場合には、生活環境や食習慣を見直し、必要に応じてキレーション療法を検討します。
特に水銀の蓄積傾向が気になる場合には、通常の生活改善だけでは対応が難しいこともあり、よりキレーションを意識した点滴を検討することがあります。

つまりOligoScanは、
「キレーションを行うべきか」
「栄養補給を優先すべきか」
「CaEDTAとNa₂EDTAのどちらを検討するか」
「どの程度慎重に治療を進めるべきか」
を考えるうえで、とても有用な検査です。

当院では、OligoScanの結果だけで治療を決めるのではなく、症状、生活背景、血液検査、腎機能、内服薬、既往歴などを総合的に見て方針を考えます。

どのような方が相談される治療か

キレーション療法やOligoScanは、次のような方が関心を持たれることがあります。
健康診断では大きな異常がないのに、疲れやすさが続く方。
集中力の低下、頭重感、だるさ、冷え、肌荒れなどが気になる方。
生活習慣病や動脈硬化のリスクを意識している方。
サプリメントや栄養療法に取り組んでいるものの、思うように体調が整わない方。
魚介類をよく食べる方、喫煙歴がある方、環境曝露が気になる方。
将来の健康寿命やアンチエイジングに関心がある方。
自分の体内環境を一度「見える化」して、今後の健康管理に役立てたい方。
ただし、これらの症状があるからといって、必ず有害金属が原因とは限りません。

腹痛、下痢、便秘、血便、体重減少、貧血、食欲低下などがある場合は、まず消化器内科で胃腸の病気を確認することが大切です。
必要に応じて胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査を行い、病気を見逃さないことが前提になります。

当院で行っているキレーション点滴

横濱おなか診療所では、目的や体調に応じて、主に2種類のキレーション点滴をご用意しています。
どちらも自由診療で行う治療であり、診察のうえで適応を判断します。

マイヤーズカクテル+CaEDTA点滴

1つ目は、マイヤーズカクテルにCaEDTA 1.5gを組み合わせた点滴です。
点滴時間はおよそ30分です。
費用は7,500円(税込)です。

マイヤーズカクテルは、ビタミンやミネラルを組み合わせた点滴療法として知られています。
そこにCaEDTAを加えることで、栄養補給の視点と、有害金属の排泄を促す視点を組み合わせた内容になります。

比較的短時間で受けやすいため、初めてキレーション療法を検討される方や、疲労感・栄養バランス・体内環境の見直しに関心がある方に提案しやすい点滴です。
有害金属対策を始めたい方、まずは栄養補給と体内環境の見直しを一緒に行いたい方には、この点滴が選択肢になります。

Na₂EDTAキレーション点滴

2つ目は、Na₂EDTA 1.5gを用いたキレーション点滴です。
点滴時間はおよそ90分です。
費用は12,500円(税込)です。

Na₂EDTAは、より本格的にキレーションを目的として行う点滴です。
当院では特に、体内からの排出が難しいとされる水銀への対策を意識したキレーション点滴として位置づけています。
OligoScanで水銀の蓄積傾向が気になる方、魚介類の摂取が多い方、歯科金属や環境曝露が気になる方などでは、Na₂EDTAキレーション点滴を検討することがあります。

ただし、Na₂EDTAは点滴時間をかけて慎重に投与する必要があり、治療前後の体調確認が大切です。
特にカルシウムなどの電解質や腎機能への配慮が必要な薬剤です。
そのため当院では、腎機能、脱水の有無、持病、内服薬、ミネラルバランスを確認しながら、安全性を優先して実施します。

「しっかり有害金属対策をしたい」「特に水銀の蓄積が気になる」という方にとって選択肢となりますが、すべての方に最初からおすすめする治療ではありません。
診察のうえで、体調や目的に合うかを一緒に相談します。

当院で大切にしている考え方

横濱おなか診療所では、キレーション療法を単なる美容目的のメニューとしてではなく、栄養・ミネラル・有害金属・生活習慣を総合的に考える自由診療として位置づけています。

私は消化器内科医として、胃腸の不調を診る中で、食事、栄養吸収、腸内環境、慢性炎症、生活習慣が全身の健康に深く関わっていることを日々感じています。
腸は食べたものを吸収する臓器であり、不要なものを排泄する臓器でもあります。
便秘や下痢を繰り返している方、過敏性腸症候群のように腸の調子が不安定な方では、体内環境を整える視点も重要です。

そのため当院では、胃腸症状の評価、内科的な血液検査、生活習慣の確認、OligoScanによるミネラル・有害金属評価などを組み合わせながら、無理のない形で治療方針を相談します。
疲れや老化は、患者さんにとっては確かに困っている問題でありながら、検査で明確に表れにくいことも少なくありません。
そのようなときに、見えにくい不調を見える化し、生活や治療を見直すきっかけをつくることも、自由診療の大切な役割の一つだと考えています。

キレーション療法の流れ

まず診察で、現在の症状、既往歴、内服薬、生活習慣、サプリメント使用歴などを確認します。
必要に応じて腎機能、肝機能、貧血、電解質、ミネラルバランスなどを確認します。
さらに、体内のミネラルバランスや有害金属の蓄積傾向を把握する目的で、OligoScanを行うことがあります。
OligoScanの結果は、キレーション療法の適応を考えるうえで参考になります。

有害金属の蓄積傾向があるのか。
水銀の蓄積傾向が目立つのか。
必要なミネラルが不足していないか。
栄養補給を優先した方がよい状態なのか。
マイヤーズカクテル+CaEDTA点滴から始めるのがよいのか。
Na₂EDTAキレーション点滴を検討する段階なのか。

こうした点を確認することで、より安全で納得感のある治療方針につながります。
ただし、腎臓に負担がある方、脱水がある方、重い持病がある方、妊娠中の方などでは適応を慎重に判断します。

注意していただきたいこと

キレーション療法は、有害金属の排泄を促す可能性がある一方で、必要なミネラルにも影響することがあります。
そのため、自己判断で強いデトックスを行うのではなく、医師の診察のもとで行うことが大切です。
また、OligoScanは体内環境を考えるうえで有用な検査ですが、それだけで病気を診断したり、治療効果を保証したりするものではありません。
動脈硬化、心臓病、認知症、慢性疲労などに対して、キレーション療法だけで治療効果を断定することもできません。
生活習慣病の治療では、血圧、血糖、脂質、体重、睡眠、運動、禁煙、食事管理などの基本が何より重要です。
キレーション療法は、それらの標準的な対策に置き換わるものではなく、体内環境や有害金属の蓄積に注目した補助的な選択肢として考える必要があります。

まとめ

キレーション療法は、体内に蓄積した有害金属に注目し、キレート剤によって体外への排泄を促す治療です。
有害金属は酸化ストレスやミネラルバランスに影響し、細胞の老化や慢性的な不調に関わる可能性があります。
横濱おなか診療所では、治療方針を考えるうえで、OligoScanによるミネラル・有害金属の見える化を大切にしています。
疲れや老化のように、通常の検査だけでは説明しにくい不調に対して、体内環境を確認することが、問題解決のきっかけになるかもしれません。
当院では、マイヤーズカクテル+CaEDTA点滴と、Na₂EDTAキレーション点滴をご用意しています。

マイヤーズカクテル+CaEDTA点滴は、およそ30分、7,500円(税込)です。
 栄養補給とキレーションを組み合わせ、体内環境を幅広く整えたい方に向いた点滴です。
Na₂EDTAキレーション点滴は、およそ90分、12,500円(税込)です。
 当院では特に、排出が難しい水銀への対策を意識したキレーション点滴として位置づけています。

一方で、キレーション療法は万能な若返り治療ではなく、医学的な評価と安全確認が必要な自由診療です。
当院では、消化器内科・内科の視点から、胃腸の状態、栄養状態、生活習慣、ミネラル・有害金属のバランスを総合的に考えます。

中山駅近くで、胃腸の不調や体調管理、アンチエイジング、自由診療について相談したい方に、必要な情報をわかりやすくお伝えできればと思います。

Q&A|キレーション療法とOligoScanについて

Q1. OligoScanを受けると何が分かりますか?

OligoScanでは、ミネラルバランスや有害金属の蓄積傾向を確認します。
採血をせずに短時間で測定できるため、体内環境を見える化する検査として活用しています。
ただし、病気を確定診断する検査ではなく、栄養療法やキレーション療法の方針を考えるための補助的な検査です。

Q2. 水銀が気になる場合はどちらの点滴になりますか?

水銀の蓄積傾向が気になる場合には、Na₂EDTAキレーション点滴を検討することがあります。
Na₂EDTAキレーション点滴は、当院では特に排出が難しい水銀への対策を意識した治療として位置づけています。
ただし、腎機能やミネラルバランス、体調によって適応は変わります。
OligoScanの結果だけでなく、診察や血液検査を踏まえて判断します。

Q3. マイヤーズカクテル+CaEDTA点滴とNa₂EDTA点滴は何が違いますか?

マイヤーズカクテル+CaEDTA点滴は、ビタミン・ミネラル補給とキレーションを組み合わせた内容です。
点滴時間はおよそ30分で、費用は7,500円(税込)です。

Na₂EDTAキレーション点滴は、キレーションをより主目的とした内容です。
点滴時間はおよそ90分で、費用は12,500円(税込)です。
特に水銀など、排出が難しい有害金属への対策を意識する場合に検討します。

Q4. キレーション療法を受ければ疲労感は必ず改善しますか?

必ず改善するとはいえません。
疲労感の原因は、貧血、甲状腺疾患、睡眠不足、ストレス、糖尿病、肝機能異常、消化器疾患など多岐にわたります。
まず原因を整理し、そのうえで有害金属やミネラルバランスの関与を考えます。
OligoScanは、説明しにくい疲労感や老化感を見える化するきっかけになる可能性があります。

Q5. キレーション療法は保険診療ですか?

明らかな重金属中毒など一部の医療では保険診療の対象となる場合があります。
一方、体調管理、アンチエイジング、予防医療目的で行う場合は、一般的に自由診療となります。
当院で行うOligoScanやキレーション点滴も自由診療です。

Q6. 胃腸の症状がある場合も相談できますか?

はい、相談できます。
ただし、腹痛、下痢、便秘、血便、体重減少などがある場合は、まず消化器内科としての評価が大切です。
必要に応じて胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査を行い、病気の有無を確認したうえで、体内環境や栄養療法について考えていきます。

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